大相撲の大関霧島(27=陸奥)と関脇若元春(29=荒汐)が30日、都内の荒汐部屋で連続18番の三番稽古を行った。実力者同士の稽古は終盤に「待ったなし」の熱戦となり、結果は霧島が13勝5敗と強靱(きょうじん)な体力を見せつけた。

番付発表後に霧島が最初に選んだ出稽古先は、日頃から訪れる荒汐部屋だった。関脇の若元春との本場所さながらの真剣勝負。「最後は盛り上がって」とヒートアップして計18番を数えた。途中から苦しそうに顔をゆがめる若元春に対し、表情変わらずびっしょりと汗をかいて充実の稽古を終えた。

新大関として臨んだ名古屋場所で負け越したが、気持ちは落ちることはない。この日の稽古でも、かど番として迎える秋場所(9月10日初日、東京・両国国技館)に向けて順調な調整ぶりをのぞかせた。オーバートレーニングは禁物と師匠の陸奥親方(元大関霧島)と相談しながら休みをはさみ、「これから徐々に仕上げていく」とした。

一方の若元春は「勘弁してほしいですよ。もうキツイす」と大関との厳しい稽古に音を上げながらも、本心は「本当にありがたいですよね」と感謝。大関とりの名古屋場所は9勝にとどまった。関脇という地位で相撲を取る以上、2桁白星は「目標というか最低限」と責任の重さを実感。来る秋場所に向けて調整を重ねる。【平山連】