日本相撲協会は25日、初場所(来年1月14日初日、東京・両国国技館)の新番付を発表した。新入幕を果たした島津海(27=放駒)はこの日、都内の部屋で会見。新番付を目にして「うれしい。やっと幕内。入門した時に幕内に上がりたいと思っていたので。番付の(自身のしこ名が)字が大きくなったのを見て、すごく実感した」と表情を緩めた。

新入幕力士は慣例として、10勝以上すると敢闘賞を受賞する例が多い。だが島津海は「技能賞を取ります!」と、力強く宣言。同席した師匠の放駒親方(元関脇玉乃島)に「敢闘賞じゃなくて?」と聞かれても、島津海は「技能です」と、ブレなかった。「もろ差しが得意で、もろ差しは(技能を)評価されやすいと思うので。映像をよく見るのは(元関脇)豊ノ島関。豊ノ島関の差し身に(元大関、現秀ノ山親方)琴奨菊関のがぶりを目指したい」と、胸を張って話した。

12年春場所の初土俵から11年以上かけて昇進した。入門時の師匠の元大関若嶋津と同じ鹿児島・種子島出身。新十両だった昨年春場所から、場内アナウンスは、それまでの「鹿児島県・西之表市出身」から「鹿児島県種子島出身」に変更。「西之表市っていわれても『鹿児島県の中のどこかなんだろうな』という感覚だと思うので。それなら種子島を盛り上げていきたいので『種子島(出身)』というふうに変えてもらいました。先代(元大関若嶋津)も現役の時に、そういう呼ばれ方をしていて、その憧れもあったので」と、種子島愛を語った。

11月の九州場所後に帰省した際には「泣いて喜んでくれた人もいた」と、地元の盛り上がりを肌で感じた。元若嶋津にも、正式発表前ながら昇進見込みであることを報告し、祝福されたという。「(出世は)早くないし、各段優勝もないし、十両で2桁(白星)もない。でも、コツコツやれば番付を上げていける。将来的には三役を目指したい」。175センチと上背こそないが、スピード感あふれる取り口と、体重は167キロあり力強い立ち合い、持ち前のもろ差し技術を武器に、さらに番付を駆け上がる決意に満ちていた。

【初場所新番付】高安1年ぶりの三役、入幕は大量5人、碧山1場所で復帰/幕内十両昇降表