所要1場所で新十両、同3場所で新入幕というスピード出世で1位の記録を持つ「令和の怪物」西幕下5枚目の伯桜鵬(20=宮城野)が、5勝目を挙げ、再十両昇進へ、また1歩前進した。東幕下2枚目の対馬洋に、1度突っかけられたが、2度目の立ち合いでぶちかまし、左をのぞかせたところで、相手が前のめりになっていたところを見逃さずにはたき込んだ。5勝1敗とし、十両力士や他の幕下上位力士の成績次第だが、再十両の可能性を一段と高めた。

取組後は「今まででは一番よかった。もちろんダメだけど、相手がのめりかかってきていたので、落ち着いて取れた」と話し、今場所取った6番の中では、最も手応えを感じた一番となった。ただ、内容にこだわっているだけに「自分の圧力がまだない。今後の稽古で、またやっていきたい」と、納得はしていない様子だった。

8月末に左肩を手術して以降、2場所全休し、今場所で3場所ぶりに復帰した。新入幕だった昨年名古屋場所で千秋楽まで優勝争いしただけに、この日も場内では大きな拍手と声援が送られた。ファンの応援には感謝しきりで「休場中もたくさんの方に応援のメッセージをいただいた。どの番付にいても応援してもらえるのは励みになる。『伯桜鵬を応援していてよかった』と思っていただけるように、関取というより、幕内の上に行って恩返ししたい」と、力を込めて話した。

手術した左肩の状態も良好で「主治医の先生に感謝したい。まだ(状態が)完全とはいえないので、3月までに仕上げたい」と話した。今場所は残り1番となったが「いつもと一緒。特別な気持ちはないけど、しっかりと勝って締めくくりたい」と、最後まで表情を引き締めたまま話した。

【初場所】取組結果一覧