この日は上位陣安泰か…と思われたが、最後の大関と横綱がまたも敗れ、大阪の土俵に吹き荒れる春の嵐は、なかなか止まないようだ。

既に3敗を喫し、目指す2場所連続10度目の優勝に黄信号がともる横綱照ノ富士(32=伊勢ケ浜)は、右から張って立ったが隆の勝(29=常盤山)にアッサリともろ差しを許し寄り切られた。3日連続の金星配給で2勝4敗と苦しくなった。隆の勝は2個目の金星獲得となった。

大関陣は、新大関の琴ノ若(26=佐渡ケ嶽)が、全勝の小結阿炎(29=錣山)の突っ張りをしのぎ、突き落としで破り4勝目。阿炎が敗れ役力士に全勝はいなくなった。かど番の貴景勝(27=常盤山)も、平戸海(23=境川)を押し出して4勝目。前日、ようやく今場所初白星を挙げた霧島(27=陸奥)も、王鵬(24=大嶽)を引き落として2勝目を挙げた。だが、大関で最後に出場した豊昇龍(24=立浪)は、翔猿(31=追手風)にもろ差しを許し、寄り切られて2敗目。今場所初めての大関陣安泰とはならなかった。

番付を西前頭5枚目に10枚上げた入幕2場所目の大の里(23=二所ノ関)は、明生(28=立浪)を押し出して土つかずの6連勝。

初土俵から所要9場所と史上最速タイのスピード出世(58年以降初土俵で幕下付け出しは除く)で新入幕を果たした東前頭17枚目の尊富士(24=伊勢ケ浜)も、美ノ海(30=木瀬)を寄せ付けず、一気の出足で寄り切って、こちらも6戦全勝とした。

6日目を終え、勝ちっ放しは入幕2場所目の大の里と、新入幕の尊富士の2人になり、横綱・大関陣には星の差2つ以上をつけた。