110年ぶりの新入幕優勝に突き進む東前頭17枚目の尊富士(24=伊勢ケ浜)が、ついに初対戦の大関をも撃破した。

新大関の琴ノ若(26=佐渡ケ嶽)と対戦し、劣勢から攻め返し寄り切りで勝った。初土俵から所要9場所と、史上最速タイのスピード出世(58年以降初土俵で幕下付け出しは除く)で新入幕を果たした猛威は衰え知らずで、初日から無傷の11連勝。1場所15日制が定着した49年夏場所以降では、あの昭和の大横綱、大鵬に並び新入幕の初日からの連勝記録で1位に立った。12日目は大関戦が組まれ豊昇龍(24=立浪)と対戦する。敗れた琴ノ若は3敗に後退した。

もう1人、2差で追っていた入幕2場所で西前頭5枚目の大の里(23=二所ノ関)も、結びの一番で大関貴景勝(27=常盤山)と対戦。持ち前のパワーをさく裂させ、大関が引いたところを豪快に押し出した。12日目は、やはり大関戦が組まれ琴ノ若と対戦する。

他の大関陣は、豊昇龍(24=立浪)が、関脇大栄翔(30=追手風)を突き落として勝ち越し決定。だが元気のない霧島(27=陸奥)は、平関脇若元春(30=荒汐)に寄り切られて負け越し。来場所のかど番が決まった。

平幕では、高安(34=田子ノ浦)が佐田の海(36=境川)に、豪ノ山(25=武隈)は御嶽海(31=出羽海)に、それぞれ勝って勝ち越しを決めた。一方、幕尻まで2枚を残す東前頭16枚目の遠藤(33=追手風)は、北勝富士(31=八角)に突き落とされ、5日目から7連敗。2勝9敗となり、16年夏場所から8年間、守ってきた幕内の座から陥落する危機に陥った。

11日目を終え、ただ一人の勝ちっ放しで11戦全勝の尊富士が単独トップ。星の差2つで大の里が2番手で追う。さらに3敗には琴ノ若、豪ノ山、高安の3人が並んでいる。

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