大相撲の夏場所(12日初日、東京・両国国技館)に向けた横綱審議委員会(横審)による稽古総見が2日、同所で行われ、腰痛で春場所を途中休場した横綱照ノ富士(32=伊勢ケ浜)は稽古を緊急に回避した。相撲を取らず、土俵にも上がらなかった。

土俵下では入念にすり足や四股を踏んで、体を赤く染めて準備をした。約2500人が集まった公開の稽古総見。ファンの期待は高まったが、照ノ富士が土俵に上がることはなかった。「稽古はしようと思ったが。体調が良くなかったから。詳しくは言えないけど。念のため」。詳細は明かさなかったが、自分の中で異変を感じて稽古を回避したようだ。

先月25日、千葉県木更津市で行われた春巡業では、途中休場した春場所後では初めて朝稽古の申し合いに参加。大関霧島と相撲を取っていたが、この日は慎重にブレーキを踏んだ。9度目の優勝を果たした初場所後は、インフルエンザや糖尿病の悪化で体重減にも見舞われた。それでも序二段まで落ちて再起した横綱は「基本悪くないと思う。その日その日でやれることをやっていくしかない」と必死で前を向いた。【田口潤】