大関経験者で大けがから復帰した、西三段目21枚目の朝乃山(31=高砂)が、無傷の6連勝で来場所の幕下復帰をほぼ確実とした。16歳の太秦(伊勢ノ海)に、立ち合いすぐに右を差し、左上手も引いて万全の体勢で寄り切った。同部屋で近大の同級生でもある朝玉勢も6連勝。朝玉勢とは七番相撲で対戦することはないため、千秋楽の優勝決定戦にもつれ込む可能性もあるが、2度目の三段目優勝に近づいた。

取組後は「うまく右が入った。相手は右ハズ押しと分かっていたので、上手を取ってから攻めようと心がけていた」と、冷静に取り切った一番を振り返った。16歳の太秦とは当然初顔合わせだったが「動画を探して、前回の相撲を見た」と、どんなタイプか分からないだけに、研究を怠らずに臨んでいた。終盤戦を迎え、疲労の蓄積を問われても「大丈夫。夜もぐっすり眠れているので」と、コンディションづくりにも余念がないことを強調した。

東前頭12枚目だった昨年7月の名古屋場所4日目一山本戦で、左膝前十字靱帯(じんたい)断裂などの重傷を負った。直前の昨年夏場所も、反対の右膝を痛めて全休しており、先場所まで5場所連続で休場していた。大学時代の4年間を過ごした第2の故郷、大阪での復帰場所で、近大の同級生と優勝を争う展開。「ここまできたら、とも思うけど欲は言わず。2人ともあと1番。あまり何も思わずにいきたい」。10代から切磋琢磨(せっさたくま)してきた朝玉勢と、思い出の大阪で優勝を懸けて戦いたい思いを封印して、まずは七番相撲に集中するつもりだ。【高田文太】