大相撲夏場所(11日初日、東京・両国国技館)で、初の綱とりに挑む大関大の里(24=二所ノ関)が、師匠の二所ノ関親方(38=元横綱稀勢の里)と、半年ぶりに三番稽古を行い、8勝2敗と圧倒した。6日、茨城・阿見町の部屋で、昨年11月の九州場所前以来、約半年ぶりに師匠と相撲を取る稽古を実施。稽古中に師匠から「今日、いくぞ」と声を掛けられ、連続で10番取った。いきなり3連勝すると、1度敗れた後、今度は4連勝。「久々の親方との稽古でしたけど、いい感じに相撲を取れたし、良かったと思う」と、手応えを口にした。
これまでの師匠との三番稽古は、直近の昨年九州場所前が大の里の7勝5敗、その前の同秋場所前が10勝7敗とだった。負け越すことはなくても、互角に近い星だったが、今回は初めて師匠を圧倒。自身が右四つ、師匠が左四つという、けんか四つで、得意の右差しを封じられても、左おっつけという、もう1つの武器で圧力をかける相撲が光った。
師匠得意の左四つに組んでも、右上手を引いて寄り立てる、新たな取り口も随所に見せた。「今まで右上手は良くなかった1つでもあったけど、今日は右上手から、いい攻めができた。動きの中で体が動いてきた。意識してやったわけじゃなくて、自然と体が動いた。(まわしを取る位置が)だいぶ浅く、相手の動きを封じ込める感じで。悪くはないかなと思う」と、自信を深めた様子だ。
体調不良のため、本来は稽古が本格化する4月28日の番付発表後に、相撲を取る稽古ができなかった。6日ぶりに相撲を取った2日の稽古総見は6勝10敗、特に横綱豊昇龍には1勝8敗と振るわなかった。そこから休日返上で3日に境川部屋に出稽古して前頭平戸海と20番取るなど、精力的に稽古を重ねてきた。この日で稽古総見から5日連続で相撲を取る稽古を行った。
番付発表直後に、191キロを計測した体重が現在は「185キロぐらい。体もだいぶ変わってきた」と、引き締まった。「連日、稽古量を増やしてきた中で、もちろん体の疲労はありますけど、今日、こうして親方と三番稽古をして、本当に身が引き締まった。ありがたいですね。疲労感を感じさせない相撲を取れたのも、自分の中で成長」と、充実感を口にした。
V字回復で状態を上向かせたまな弟子に、二所ノ関親方も「もうバッチリだと思う。いい圧力だったし、隙もなかった。だいぶ上向きになっていると思う。やっぱり(相撲を)やると1番分かる。大丈夫。本当は半分勝ちたかったけど(笑い)。勝機を感じなかった」と、いつもは厳しい評価を下すが、珍しく手放しで褒めた。
それでも大の里は、さらに状態を上向かせるつもりだ。「後半になるにつれて、だんだん自分の立ち合いができるようになってきた。初日を迎えるにあたっては、それは良くない。最初の一番から上げていなかないと。反省です」と、まだまだ満足していない様子。貪欲さも出てきて、いよいよ横綱昇進“待ったなし”の雰囲気が漂い始めた。

