幕内の「決まり手」は、いかにして確定するのか。

考えるまでもなく明らかな場合は、場内アナウンス担当の行司が自ら判断して決まり手を発表する。そうでない場合は、ビデオ室にいる決まり手係の親方が判断し、内線電話で行司に伝える。

11日目に、東前頭5枚目の宇良(32=木瀬)が「伝え反り」を決めた。めったに出ない大技だからだろうか、宇良が花道奥に下がるタイミングでようやく、場内アナウンスがあった。

「伝え反り」を確定させたのは、幕内で決まり手係を務める甲山親方(元幕内大碇)だ。一夜明けた12日目に事情を教えてくれた。

「反り技がいろいろある中で、ちゃんと確認しました。決まり手の本で。たすき反りとか、居反りとか。首から出して反るのは、伝え反り。多少、悩みました」

宇良が左を差し、高安が左で宇良の頭を抱える体勢になったところで、甲山親方は心の準備をしたという。「来る、来る、出るよ、出るよ、と思ったところで案の定」、伝え反りが出た。

何がいつ飛び出すか分からない、宇良の相撲。甲山親方は「宇良は決まり手係泣かせですね」と苦笑いしていた。【佐々木一郎】