新入幕の前頭草野(24=伊勢ケ浜)が、4連勝で1敗を守り、優勝争いのトップに並んだ。前頭琴栄峰との新入幕対決に快勝。得意とは逆の左四つでも強さを発揮し、最後はすくい投げで仕留めた。実は熊本・文徳高の途中まで、左四つが得意という“二刀流”だったことも判明した。日大4年時に学生横綱、先場所まで2場所連続十両優勝の実力は本物。部屋の兄弟子の前頭尊富士、横綱大の里らと同様、出世の早さに髪の伸びが追いつかない「ちょんまげ旋風」が、再来しそうな予感が漂ってきた。
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左を差しても強かった。草野は立ち合いから、琴栄峰の上体を起こすと、ハズ押しの流れから差した左のかいなを返した。体勢が崩れたのを見逃さず、右も差してもろ差し。寄り立てながら、左からのすくい投げで相手を裏返した。無敗だった御嶽海が直前の取組で敗れ、優勝争いのトップに並んだ。報道陣が「気が早いですが」と尋ねようとすると「気が早いですよ」と笑って制した。普段から相撲同様、勘は鋭かった。
本来、得意は右四つ。ただ、この日「高校の途中までは左四つだった。いつの間にか左で張って、右で差していた」と、きっかけがあったわけでもなく、自然と右四つになったと明かした。稽古でも部屋頭の伯桜鵬ら、左四つを得意とする関取も多く「いつも自分の形になれるわけじゃない」と、左右どちらの四つでも力を発揮し、自然と繰り出せるようになっていた。
自身を含む伊勢ケ浜部屋の幕内5人は、全45部屋で最多だ。草野は「自分が流れをつくりたいと思っている。団体戦だと先鋒(せんぽう)」と、思い切りの良い相撲を心掛け、好成績につながった。部屋には新入幕場所で千秋楽まで優勝を争った伯桜鵬、110年ぶりに優勝した尊富士という最高の手本がいる。まげを結えたのも今場所からという新鋭が、珍しくなくなった「ちょんまげ旋風」を再び起こす。【高田文太】

