大相撲の大関経験者の朝乃山(31=高砂)が、十両復帰を決めた秋場所(9月14日初日、東京・両国国技館)に向けて始動した。7月27日の名古屋場所千秋楽から、1週間の休養を挟んで4日、都内の部屋で再開された稽古で、四股やすり足などで汗を流した。
昨年7月の左膝の大けがから、春場所で三段目から再起して3場所目の名古屋場所は、西幕下筆頭で臨んで5勝2敗。7月30日の番付編成会議後に再十両昇進が発表されていた。稽古後に「まだ全然、通過点。何の喜びもない」と話し、目指す幕内上位への思いを、むしろ強めていることを示した。
当初は、ともに弟弟子で新十両昇進が決まった石崎改め朝翠龍と朝白龍が、30日に会見した後、46年ぶりとなる同部屋からの「トリプル十両昇進」に花を添えるため、朝乃山も含めて一緒に写真撮影する予定だった。だが体調不良で、朝乃山が合流することはなかった。
この日、症状について「39度ぐらい熱があった。たぶんアデノウイルス(感染症)だと思う」と、左目の結膜炎のような症状に端を発し、風邪のような症状が長引いたと説明した。
1週間の場所休みも、ほぼ体を休めるだけに終始し「体重が8キロ減った。場所前じゃなくてよかった」と、168キロから160キロになったことを明かした。
稽古後のちゃんこでは、師匠の高砂親方(元関脇朝赤龍)に「朝乃山、体重減ってるんでから、いっぱい食べろよ! 明らかに体が小さくなってるんだから」と、笑顔で激励されながら、体重アップへ土俵外の“稽古”も課されていた。
関取に復帰することで、秋場所に間に合うかどうかは不透明ながら、後援会から新たな化粧まわしが贈呈される計画があることも明かした。
関取衆から若い衆への転落は、6場所出場停止の時に続き2度目。前回は関取衆に戻った際に「2度と落ちない」という決意を込めて、若い衆が着ける黒の稽古まわしを捨てた。結果的に、大けがで再び黒まわしを購入したが「今回も捨てます」と宣言。引退するまで、2度と幕下以下に転落しないという決意の表れだ。入れ替わりで、関取衆用の白まわしを、近く購入する予定だ。
今後は部屋での稽古、神奈川・平塚市での部屋の合宿などで仕上げていく。「まだ暑いし、この年齢なので(稽古の)やり過ぎに注意していかないと。名古屋場所も、まだまだ甘い部分があったので。基礎を徹底的にやって、下半身を徹底的に鍛えて、けがしない体づくりをしていきたい」。
15日間、相撲を取り切ったのは、昨年春場所が最後で、直近2年間を見ても、もう1場所、計2場所しかない。残暑が厳しいと予想される秋場所へ、まずは15日間戦い続ける体力と、安定感のある下半身強化を目指していく。【高田文太】

