大関経験者で西十両13枚目の朝乃山(31=高砂)が、連勝とはならず、1勝1敗と星を五分に戻した。初日に関取として初白星を挙げていた、新十両の西ノ龍に上手投げで敗れた。けんか四つの相手に、立ち遅れて相手得意の左四つ。それでも右上手を引いて土俵際まで寄り立てたが、体勢を入れ替えられると、最後は土俵下まで転がされた。幕下だった、5月の夏場所の初顔合わせでは勝っていた相手に、2度目の顔合わせで雪辱を許した。

取組後は「立ち遅れて棒立ちになった時点で負け。今までと違って(立ち合いで)両手をついて、バーンときて、それに対応できなかった自分が悪かった」と、作戦を練って臨んできた相手をたたえた。続けて「毎日勝ちたいけど、そうはいかない。幕下と違って、また明日もある。集中して自分の相撲を取っていきたい」と話し、気持ちを切り替えていた。

前日初日の旭海雄戦も、対戦経験の少ない新十両相手だったが白星を挙げていた。関取としては、当時前頭の昨年7月16日、名古屋場所3日目の美ノ海戦以来、425日ぶりの白星だった。「けが明けからの十両だったので素直にうれしい」と、しみじみと語っていた。

取組に先立って臨んだ土俵入りでは、初日も2日目も、地元の「富山後援会」に、以前から贈呈されていた化粧まわしを着けた。「どんな時も味方だった富山後援会は、やっぱり特別な存在。その化粧まわしを着けて土俵に立ちたかった」。新型コロナウイルスのガイドライン違反で、6場所の出場停止処分を受けても、昨年7月に左膝前十字靱帯(じんたい)断裂の大けがを負った時も、変わらず復活を信じて待ってくれた、地元の応援に応えたい思いが、あふれている。

土俵と向き合う姿勢も、初心を忘れない思いがにじんでいる。この日の朝稽古でも、場所中とあって、相撲こそ取らなかったが、四股など、基礎に時間を割いて汗を流した。ぶつかり稽古では、しっかりと2度土俵に転がり、背中にベッタリと砂をつけながら、けがの予防、対策への準備も怠らない。若い衆に交じり、列をつくって行う最後のすり足も、誰よりも腰を下ろして入念に繰り返した。

今場所は「最低でも2桁勝たないと。必ず優勝争いに加わって、できれば優勝したい」という目標を掲げる。今場所初黒星を喫したが、1場所でも早い幕内復帰へ、巻き返しへの強い思いが、全身からにじんでいた。

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