[ 2014年6月28日8時21分

 紙面から ]<W杯:アルジェリア1-1ロシア>◇1次リーグH組◇26日◇クリチバ

 JFL・FC琉球(現J3)でのプレー経験があるGKライス・エムボリ(28=CSKAソフィア)がアルジェリアを初の決勝トーナメントに導いた。開始6分にロシアに先制ゴールを奪われたが、その後は追加点を許さず。後半15分のFWスリマニの同点ゴールを守りきり、2位での進出に貢献した。

 08年、FC琉球総監督だったトルシエ氏に誘われて1年間プレー。その後ロシア、フランスなどを渡り歩き、現在はブルガリアで活躍する。U-17フランス代表での出場歴を持つが、10年5月に母の祖国のアルジェリア国籍を取得。同年にW杯南アフリカ大会でも2試合でゴールを守った。

 相手FWと1対1の場面を防ぐなど、奮闘した守備陣をまとめた。好セーブ連発にも「チームの役に立てれば、それでいい」と謙虚に話した。11年に就任したボスニア・ヘルツェゴビナ人のハリルホジッチ監督は「新たな歴史を刻んだ偉大な選手をたたえたい」と、エムボリらを絶賛した。

 決勝トーナメント1回戦の相手はドイツ。同国が初出場した82年大会では西ドイツと対戦し、トヨタ杯の活躍で日本でも知られるエースFWマジェールのゴールなどで2-1と番狂わせを演じた。32年ぶりの対戦に向け、エムボリは「仕事が増えそうだね」と自信たっぷりに話した。