[ 2014年7月7日9時45分

 紙面から ]GKナバス(右から2人目)はオランダの猛攻を体を張って止める(撮影・松本俊)<W杯:オランダ0(4PK3)0コスタリカ>◇準々決勝◇5日◇サルバドル

 世界を驚かす快進撃を続けてきた中米のダークホースが姿を消した。コスタリカがオランダに敗れ、初の4強入りはならなかった。5バックの組織的な守りで無失点に抑えたが、PK戦で2人が失敗した。

 シュート数は6本対20本。ボール支配率も36%と苦戦。それでも意地を見せた。今大会大当たりのGKケイロル・ナバス(27=レバンテ)が、マン・オブ・ザ・マッチに選ばれる活躍。前半29分にはオランダFWデパイのシュートを右足でブロックし、同39分にはMFスナイダーの直接FKをパンチングでクリア。後半ロスタイムにもFWファンペルシーの直接FKをセーブするなど、神懸かり的なプレーを続けた。

 PK戦では、オランダGKクルルに見せ場を奪われた。決勝トーナメント1回戦ギリシャ戦に続くPKストップはならなかった。それでもナバスは「1敗もしなかった(PK負けは記録上引き分け)のはすごいこと。顔を上げて帰れる」。ピント監督も「ナバスを筆頭に、守備がしっかり組織されていた」と称賛し、MFボラニョスは「素晴らしい結果を残せたことをチームも国民も誇りに思っていい」とうなずいた。

 優勝経験のあるウルグアイ、イタリア、イングランドと同じ「死の組」を2勝1分けで1位突破。決勝トーナメントでは2試合連続のPK戦となったが、5試合で許した失点はわずか2。開幕前の親善試合では日本に1-3で敗れて、1次リーグ敗退必至と見られた下馬評を完全に覆した。

 1930年の第1回大会で3位に輝いた米国以来、北中米勢として84年ぶりの準決勝進出はならなかったが、歴史に残る大健闘。大会を笑顔で締めくくった選手たちは、胸を張って母国に帰る。

 ▼2試合連続PK戦

 コスタリカが決勝トーナメント1回戦のギリシャ戦に続いて2試合連続のPK戦。90年のアルゼンチン、02年のスペインに次いで3チーム目。90年のアルゼンチンは2連勝したが、02年のスペインは今回のコスタリカと同じく2戦目で敗戦。