[ 2014年7月11日8時31分

 紙面から ]<W杯:オランダ0(2PK4)0アルゼンチン>◇準決勝◇9日◇サンパウロ

 アルゼンチンの大黒柱FWリオネル・メッシ(27=バルセロナ)が喜びを爆発させた。PK戦で、4人目ロドリゲスのキックがオランダGKシレッセンの手をはじいてゴールに入ると猛ダッシュ。相手のキックを2度止めて勝利の立役者となったロメロに駆け寄り、歓喜の輪の中に吸い込まれた。

 本来のメッシではなかった。PK戦は1人目できっちり左へ決めたが、延長を含めた120分間のシュートは前半15分のFKだけ。マンマークに苦しんだこともあるが、運動量の少なさがシュート数に直結した。

 前半こそ守備にも頑張っていたが、後半から息切れ。延長までプレーしても走行距離は10・494キロ。90分換算すると8キロ弱で、試合終盤はほとんど歩いていた。スペースへ走り込む動きがないため、味方もボールを入れられない。仲間に助けてもらっての決勝進出に「このチームの一員であることを誇りに思う」と感謝の気持ちを口にした。

 決勝は86年メキシコ、90年イタリア大会の再現となるドイツ戦。86年はマラドーナの決勝アシストで勝ち、90年はマラドーナが徹底マークに遭い敗れた。今大会も準々決勝で主力のディマリアが右太ももを負傷するなど、アルゼンチン不利の見方もある。今こそメッシの力の見せどころだ。