バルセロナのシャビ監督(44)が退任発表から3カ月後、「今は残ることがベストな決断だと思っている」と続投への意欲を示した。

バルセロナのラポルタ会長とシャビ監督が25日に記者会見を実施した。その際、シャビ監督が今年1月のビリャレアル戦後に伝えた「6月30日をもって辞任する」との発言を撤回した理由について語った。そのもようをスペイン紙アスが伝えている。

まずラポルタ会長が冒頭でスピーチを行い、シャビ続投の喜びを伝えている。

「シャビがトップチームの監督継続をお知らせできることをうれしく思う。我々は昨日話し合いを行ったが、その際に彼はプロジェクトに対する熱意およびチームに対する自信を伝えてくれた。彼には野心がある。このプロジェクトが勝者のものであることはすでに証明されている。安定性が成功を収める鍵であり、シャビのバルセロニスモ(バルセロナ主義)に異論をはさむ余地がないことを加味すれば、バルサの利益を考えている監督が続投するのは良いことだ。さらに若い選手たちには模範が必要だが、シャビはそのような存在だ。私は特にうれしいよ。理事会は満場一致でその決断を支持した」

続いてシャビ監督が口を開き、続投理由について説明した。

「私は真のバルセロニスタであり、このクラブの生粋の人間なので、クラブにとってベストなことを常に心がけている。昨日、クラブ幹部、スポーツ部門、理事会の大きな信頼に気づくことができた。そして選手たちのサポートがとても重要だったし、彼らはこのプロジェクトを今、終わらせるわけにはいかないということを気づかせてくれた。そしてサポーターからは、我々が戦い続けなければならないということを感じさせられた。彼らは街で私を励まし、反省させてくれた。そして何よりも私は自分の強さや能力の高さを知ることができたんだ。1月に私は退任するのがベストだと話したが、今は残ることがベストな決断だと思っている」

「私は1月に、心理的にも肉体的にもクラブとしても、私が退任することがベストの決断だと考えていたし、チームとクラブは変化を必要としていた。私がエゴイストな人間だからそのような決断を下したわけではない。私は今、反対のことを考えているので、おそらくあの決断は間違っていた。今後も残酷で不快な環境が続くことは分かっているが、それが退任を発表した主な理由ではない」

シャビ監督は21年11月のバルセロナ監督就任後、スペインリーグとスペイン・スーパーカップのタイトルをそれぞれ1回ずつ獲得しているが、今季は無冠に終わる可能性が非常に高い。現行の契約は来年6月30日までとなっている。

(高橋智行通信員)