AKB48の新冠番組、テレビ東京「AKB48、最近聞いた?~一緒になんかやってみませんか?~」が、1月18日深夜からスタートした。

新番組は、AKB48の「楽曲」がテーマ。同局の高橋弘樹プロデューサーは「メジャーではない曲にも優れた曲がたくさん埋もれている。そんな『知られざるAKB48の曲』の魅力を、毎回パートナーの力と掛け算しながら描ければと思います」と話す通り、自治体や企業と、AKBの隠れた名曲のコラボを展開していく。

「隠れた名曲」といっても、AKB48グループのオリジナル楽曲数は、とてつもなく多い。06年に「桜の花びらたち」でインディーズデビューして以降、シングルはこれまで60枚を発売。CD1枚あたり平均4~5曲(場合によって姉妹グループ曲含む)が収録されていると計算しただけでその数は300曲を超え。アルバムに加え、劇場公演も全てオリジナル楽曲を使用しており、平均15曲ほどある公演が、AKBだけで17公演あることから、250曲以上のオリジナル曲がある計算…。15年に開催された「リクエストアワー」では、姉妹グループ含めて「1035曲」が対象だったことから考えても、さらに7年たった現在は、1200~1300曲ほどの楽曲があるとみられ、同番組でもさまざまなコラボが実現に期待がかかる。

昨年11月にソロコンサートを行い、AKB48の楽曲も数曲「アンプラグドバージョン」にアレンジして披露した柏木由紀(30)も「何百回何千回と歌ってきた『フライングゲット』も、1人で歌うとまた新鮮な気持ちになれたり、一瞬『何の曲だろう?』と思うぐらい、アレンジ1つで曲の違う魅力も伝えられることが分かりました」と、幅の広さについても実感したという。

「会いたかった」をはじめ、「ヘビーローテーション」「恋するフォーチュンクッキー」「365日の紙飛行機」など老若男女に知られる代表曲はもちろんだが、サブスクをはじめ、現在はグループのYouTubeの公式チャンネルでカップリング曲のミュージックビデオ(MV)も公開されている。TikTokでも一時期バズった「最強ツインテール」も実はAKBの楽曲。結成17年目を迎えているグループだが、まだまだ「私だけが知ってる隠れた名曲」を見つけることはできそうだ。

余談だが、13年11月からグループを担当する記者も、コンサートや公演などの取材を通じて、グループの楽曲を聞いてきた中で、ファンにとっては隠れてはいないかもしれないが、そこまでグループに詳しくなくても楽しめるAKB48のおすすめの3曲を、最後に紹介する。

◎「Only today」(07年) シングル「BINGO!」の収録曲で、チームA4th公演「ただいま恋愛中」にも組み込まれた、コンサートでもたびたび披露される曲。明るい曲調に、ラインダンスをする振り付けとポップだが、歌詞は「2人は今日だけ 明日になれば友達の3人に戻るだけさ」と友人関係とかなわぬ恋心のはざまの葛藤が描かれた切ない楽曲。

◎「To be continued.」(09年) チームK5th公演「逆上がり」の楽曲。同公演の最後に披露される曲でもあり、明日に向かう希望の気持ちを歌った曲。作曲は「真夏のSounds good!」「希望的リフレイン」などシングル表題曲も数多く手掛ける井上ヨシマサ氏。

◎「抱きしめちゃいけない」(11年) 「フライングゲット」の収録曲で、同年の選抜総選挙アンダーガールズ(22~40位)による楽曲。1カットで撮影されたMVも魅力だが、青春時代を思い起こすような、これまた切ない歌詞が印象的。【大友陽平】