小栗旬主演の映画「ルパン三世」(2014年)や「あずみ」(03年)、「ゴジラ FINAL WARS」(04年)などで知られる北村龍平監督の新作「ダウンレンジ」が、4月24日にロサンゼルスでプレミア上映されました。昨年のトロント国際映画祭でミッドナイト・マッドネス部門に出品されて大喝采された本作は、人気のまったくない携帯の電波もつながらない荒野のど真ん中で男女6人の若者が乗った車が突然パンクすることから始まるホラーサスペンス。パンクは偶然ではなく銃撃によるものだったことに気づいた直後から、登場人物が血を吹きながら一人また一人と殺されていきます。「ダウンレンジ」とは銃弾の射程圏内、戦闘地帯を意味する用語で、まさに謎のスナイパーと射程圏内で生き残りをかけて死闘を繰り広げるジェットコースター映画です。
殺戮シーンの連続でラストまで気の抜けない緊張が続く北村監督ならではの作品に、上映後は会場も大熱狂。ファンからの質疑応答に応じた北村監督は、「ルパン三世」以来となる作品にキャスト全員無名の俳優を使った本作を選んだ理由や撮影秘話などを明かしました。「これが私の魂、血であり、DNAに組み込まれたもの。数年間を費やした「ルパン三世」は大成功したけど、家庭向けの映画だったので、次第に自分が来た本来の場所に戻りたいという思いが強くなっていった。映画作りに関しては常にファイターだから」と語り、血みどろのウルトラバイオレンスな映画に再び舞い戻った理由を明かしました。また、特殊メイクやダミー人形を使った撮影の裏話なども披露し、ファンを喜ばせました。
2001年に発表した「VERSUS」で国際的な評価を得た北村監督は、日本国内で大作を制作する一方で、ブラッドリー・クーパー主演の「ミッドナイト・ミート・トレイン」(08年)や「NO ONE LIVES ノー・ワン・リヴズ」(12年)などハリウッドを拠点に米国でもコンスタントに作品を発表。大作を手掛ける一方で、同作のような低予算の作品にも携わることについて、「監督の仕事は常にサークルの中央にいて人を動かすことだと思っている。円が大きくなるか小さくなるかだけで、その規模はまったく関係ない。どっちにしても好き勝手やっているので日本ではアウトサイダーみたいなものなので、映画を作る上ではハリウッドが自分のホームタウンみたいな感じ」と北村監督。今後もホラー・マスターとして知られるミック・ギャリス監督がプロデュースするホラー・オムニバス映画「ナイトメア・シネマ」や女優ケイティ・ホームズと俳優ジャン・レノが出演するアクションスリラー「ドアマン」などハリウッドで作品の公開を控えており、しばらくは米国を拠点にした活動が続きそうです。「ダウンレンジ」は4月26日からホラー専門ストリームサイト「SHUDDER(http://try.shudder.com/today)で絶賛配信中です。
【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)





