「よしもと漫才劇場 夏キャンペーン2021」の一環で、恒例となったマンゲキ夏フェスは今年も予定され、9月12日に大阪・よしもと漫才劇場、森ノ宮よしもと漫才劇場（無観客）をつなぎ、オンラインでも配信される。ネイビーズアフロ、さや香、からし蓮根、ラニーノーズの4組がMCを担う。そのネイビーズアフロが、今フェスのみどころから、M－1グランプリ制覇へ向けた熱い思いなどを語った。【取材・構成＝村上久美子】
◇ ◇ ◇
今年の公演タイトルは「もっともっともーーーっとマンゲキろくでなしの日～駆け抜けろ我らの青春！文化祭と体育祭の二刀流！てっぺんを懸けたマンゲキメンバー総出演の4チーム対抗バトルで盛り上がり過ぎてうっせぇわ!!～」。1部は午後1時、2部は同5時の開演。オンラインなら連続7時間の“マラソン観覧”になる。
みながわ 森ノ宮は無観客なので、客席を取っ払って、スポーツ的なこともできるみたいです。ずらっと出てて「あ、こんないっぱいいるんや」と思えるかも。アーカイブもあるので、友達とLINE（ライン）とかで情報共有しながら、見てもらえたら。
はじり SNSに「ここがおもしろかった」とか上がると思うので、検索しながら、見直してもらえたらうれしいですね。
MCで並ぶ3組は関西賞レースでも争ってきたライバル。みながわは中でも、さや香の新山、ラニーノーズの洲崎への対抗心があるという。その心は－。
みながわ 番組とかも一緒にやってたりしたのに、2人とも結婚をネットニュースで知ったんです。普通、直接言うでしょ？ 負けたくないですね！
はじり そうですよ。結婚してない独身コンビ、僕らだけなんで、婚活も兼ねて、思いっきりアピールできれば（笑い）。
みながわ 僕たちだけ最初、賞をとってなくて。
ネイビーズアフロは昨秋、NHK上方漫才コンテストで優勝するなどしたが、M－1グランプリは過去、準々決勝が最高位。昨年は2回戦敗退だった。
みながわ 僕たち11年目で、もう関西の賞レースは出られない。M－1しかない。去年、一昨年より、M－1の戦い方が分かってきて、考察を重ねたので、リカバリーしていきたい。具体的に言えば「あ、見たことないな」と思わせるネタ、コンビですね。
はじり やっぱり、M－1は準決勝、決勝にいってこそ、認められる指標になっているので。M－1をきっかけに（ブレークして）全国のネタ番組に出ていきたい。ネタはたくさんあるので！
準決勝すら進んだことがないだけに、逆に言えば、そこを突破すれば、決勝から頂点へ突き抜ける可能性も。それこそ「フレッシュ」なコンビに映るだろう。
2人 そうですね！ 確かに、一気に突き抜けられるかもしれませんね。
もともと、2人とも今年2021年の目標にM－1制覇を掲げ、毎月、イベントでネタ下ろしを重ねている。
みながわ ネタは毎月やっていますし、加えて、このコロナ（禍）で、劇場の出番や仕事も減ったので、2月から20～30秒のネタ動画をあげていて、その集合でコントが1本できたりしています。最近、街を歩いていても「TikTokの人や」って声かけられる。僕のこと、芸人と知らない人も多いと思います。
コロナ禍での活動も創意工夫し、乗り越えてきた。
はじり 単独ライブを毎月やってきて、思うのは、配信になると、劇場のキャパ以上のお客さんに見てもらうこともできる。ライブの幅が広がるんですよね。（その集大成で）下半期はM－1で結果を出せれば。
霜降り明星がブレークし、一昨年は下積みの長かった先輩ミルクボーイがM－1で優勝。かつての仲間たちの活躍は刺激になる。
みながわ 以前は、心の中は「悔しい」の一言でしたけど、今は、素直に、僕らが頑張ればいいと思えます。ほんとに「見たことのないネタ、キャラクター」を作ればいい。人と比べることがナンセンスだと気づきました。
はじり （今回MCの）さや香も決勝までいったのもあって、全然上の話やと思ってたんですけど、「あ、決勝っていけるとこなんや」って思いました。身近に－というか、今まで以上に頑張ろうと思えました。
みながわ 僕はずっと、漫才をやりたい、していたいと思います。そのためには知名度を上げないと、ライブも定期的にできないし、お客さんにも来てもらえない。「テレビでも見られる、劇場でも見られる芸人」を目指しています。
はじり そうですね。「あの人たちを見たい」ではなくて「あの人たちの芸が見たい」と思ってもらえるような芸人でいたい。
大きな目標へ－その1歩を刻む年にする覚悟。まずは、仲間とともに臨む「マンゲキ（本拠地のよしもと漫才劇場）」の夏フェスで自信を確かにする。
◇ ◇ ◇
◆ネイビーズアフロ みながわ（本名・皆川勇気＝1992年（平4）9月22日、京都市生まれ）はじり（本名・羽尻紘規＝92年7月16日、京都市生まれ）。高校時代からの同級生で神戸大に進学。11年コンビ結成。16、17、19年にM－1グランプリ準々決勝、昨年NHK上方漫才コンテスト優勝。
（ニッカンスポーツ・コム／芸能コラム「西日本発エンタメ」）
