かなり久々の更新となる。前回のアップが2月19日だから、これほどまでに長期間の空白を平然と作るという“逆アクティブ”ぶりはこのネット社会、新聞記者として完全に失格。

当欄の基本的コンセプトは何度か記した通り「読まなくても誰も困らない日誌」「信じられないくらい意味がない日誌」であるが、前回更新後、急速にコロナ禍で大変な世の中になり、筆者自身も人と会ったり外出機会が激減したこともあり、「意味のない日誌」すら書いている状況ではなくなっていたというのがおおまかな理由だ。

ただこの間、計約3人の読者の方からありがたいことに「いいかげん、早く更新せい」「猛烈にヒマな時に読むかも知れないから、いつもの、何の生産性もない文章をさっさと書きなさい」などと叱咤の言葉をいただいたこともあり、前回更新後の近況などについて、ぼちぼち書いてみたい。

まず、前回(2月19日更新回=どうでもいいが、一応第92回目)の日誌で書いた、東京・池袋の自販機に張っていたなぞの「雪栄さん、戻って来て。」なる張り紙ネタの続報。その後、新宿でも奇跡的に発見したので、興味がある人は限りなく少ないと思われるものの、一応、一方的に報告だけしておきたい。

燃え尽きる寸前の記者魂を発揮し、地を這うようなフィールドワークで新宿でも「雪栄さん張り紙」を奇跡的に発見していたのだが、当日誌の更新そのものを忘れていた
燃え尽きる寸前の記者魂を発揮し、地を這うようなフィールドワークで新宿でも「雪栄さん張り紙」を奇跡的に発見していたのだが、当日誌の更新そのものを忘れていた

それはさておき、この半年間を振り返ると、ささやかなる“達成感”を得たのは「ゴッド認定」されたことくらいか。コロナ禍以前は、責任デスク日以外は車で関東各地の温泉をあちこち飛び回ったり“繁華街パトロール”をするなどしてほとんど家にいなかったのだが、この約半年間、ほぼ正反対に生活様式が変わり、出社時以外はほぼ在宅という状況を続けている。

それにともない、もともとそこそこ利用していた大手出前サイト「出前館」の利用回数も激増したのだ(※筆者は今のところウーバーイーツは利用していない)。正確にいつ初認定されたかは分からないが、気づくと出前館の5段階会員ランクで最上位の「ゴッド会員」になっていたのである。大げさに言うと同サイトにおける“神”認定か。

「ゴッド会員」の称号。この半年間で得た最大級の達成感と言えるが、逆に「いつゴッドから転落するか分からない」という恐怖との闘いもエンドレスに始まっている
「ゴッド会員」の称号。この半年間で得た最大級の達成感と言えるが、逆に「いつゴッドから転落するか分からない」という恐怖との闘いもエンドレスに始まっている

出前館においては直近3カ月の注文回数で会員ランクが認定されており、「レギュラー」→「ブロンズ」→「シルバー」→「ゴールド」→「ゴッド」の順に位が高くなっている。「ゴールド会員」は注文回数6~14回で、「ゴッド会員」は15回以上で、その称号が得られるシステム。例えば「ゴッド会員」の場合、注文に使える100ポイントを毎月2回もらえるなどの特典があるからお得だ。

在宅生活でかなりの回数、出前館を利用しまくった感覚があるので先ほど、7月1日~9月30日までの3カ月で注文した回数を、過去注文履歴コーナーを開き数えてみた。するとその数、なんと「76回」。「ゴッド会員」認定基準である「3カ月で15回以上」の、実に5倍以上の回数注文していたから、われながら驚いた。

外出ばかりか、人と会う回数も激減している中、出前館による「ゴッド認定」により、ほとんど日常のコミュニケーションで感じる機会がなくなっていた、ある種の“自己承認欲求”がわずかに満たされたことも事実で、出前館に対する親近感から、はっきり言って最近、浜田雅功出演のCMで知られる「Demae-canの歌」がほぼ終日、脳内にエンドレスで流れ続けるという“症状”まで起きている。

一方で今後、注文回数が減った場合「ゴールド会員」以下に冷徹に“降格”される可能性も常にあり、その恐怖にもさいなまれ始めている。実は本稿も、出前館の注文が届くのを待っている間に執筆しているのだが、「ゴッド会員」から降格するほど外食回数が再び増える日は、果たしていつごろ来るのか。

【文化社会部・Hデスク】