天満天神繁昌亭(大阪市北区)で、毎月最終金曜に「深夜寄席」が開催されている。開演が午後9時45分。一杯飲んだ後に落語を楽しめる時間帯だ。
この会をプロデュースしたのは、上方落語にあってダイヤモンドの輝きを放つ桂二葉(38)。昼から夜まで連日、落語会が行われている繁昌亭だが、夜の遅い時間帯は活用されていなかった。そこに目を付け、イベントを実現した二葉はさすがで「落語を見たことのない人も来てほしい」と呼びかける。
百聞は一見にしかず。第2回となる2月28日の深夜寄席をのぞいてみた。といっても、二葉人気は高く、前売りチケットは早めに取らないと売り切れてしまうので、発売日に急いで購入した(当日券は別に発売されるが)
さて、その当日。たまたま夜9時過ぎまで、仕事する羽目になった。やるべきことを片付けて繁昌亭に着いたのが夜10時だった。すでに開演時間は過ぎている。この日の演者は4人で、トップバッター笑福亭喬路の噺(はなし)の途中だった。オチを待って、いそいそと中に入り、自分の席に着く。客席は当然のように満席。少し前までパソコンで原稿を書いていたのを忘れて、寄席の世界にどっぷり浸った。
二葉の演じる「アホ」「ヨッパライ」はとにかく面白い。独特の巻き舌を交え、どんなおっさんでも難なく描写する。やや甲高い声は、なんともいえないチャーミングな個性。客席に目をやると、一様に笑顔だった。これぞ二葉ワールド。マクラでは、レギュラー出演している「探偵!ナイトスクープ」(ABCテレビ)での裏話をサービスしていた。
深夜寄席は、いい。深い時間ならではのリラックス感、ゆったり感。二葉に続いて登場した桂笑金、桂健枝郎もしっかり笑いを取っていた。
これでチケット料金は1500円。大半の観客が「楽しかった。得した」と満足していたのではないか。
午後11時終演。外に出ると、繁昌亭の前で二葉がファンに囲まれていた。写真撮影にも笑顔で応じていた。演者とファンの距離が近いのも落語会の魅力。余韻を味わいながら、帰りの電車に乗った。
この先は3月28日、4月25日、5月30日、6月27日に深夜寄席開催が決まっている。二葉は「5年、10年と継続してほしい」と言っていたが、記者も同じ思い。「夜の大阪名物」として定着してほしいものだ。【三宅敏】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ナニワのベテラン走る~ミナミヘキタヘ」)







