フリーアナウンサーの石井亮次(48)が2月15日に東京で行われるピン芸人日本一決定戦「R-1グランプリ」の準決勝に挑みます。大会史上最多となる6171人がエントリー。その中から準決勝に残れるのはわずか35人です。笑いのプロの中にまじって快進撃の裏側には「芸人へのリスペクト」があります。

「アナウンサーがなんでやねん? もあると思う。その意見はその通りやと思います」。石井アナのR-1出場には賛否があります。それでも「話すプロ」としてお笑いへの熱い思いはブレることはありませんでした。

「1人でしゃべるということは芸人さんもアナウンサーも、共通しているところがあるなら出たいなと思った」

今回の快進撃の原点には「芸人へのリスペクト」があります。

中学2年のとき、今は亡き父親に、大阪・なんばグランド花月(NGK)に連れていってもらいました。お笑いの聖地で受けた衝撃はいまでも忘れていません。

「お笑いのナマってこんなにすごいんや」

高校、大学でも1人でNGKに通う日々…。指摘席は一番前の列の真ん中でした。

NGKでは「トランポリン芸人」との舞台での“共演”もありました。石井青年が舞台に上がると、耳打ちされました。「ええか、1回目は跳ばなくていいからな」。その言葉通り、跳ばないボケをすると、芸人から「跳ばんかいな!」ととツッコミが入り、大爆笑でした。

「お笑いって、こうやってできるんや」。それとともに「800人の笑いってこんなに気持ちがいいんや」。あこがれとリスペクトは強まるばかりでした。

吉本興業の会社説明会にも参加しました。大学卒業後はアナウンサーの道に進みましたが、「お笑い芸人さんへのリスペクト、尊敬はむちゃくちゃある」と告白します。

R-1の1回戦、準々決勝を経験し、芸人へのリスペクトはさらに強まりました。

「舞台の袖でえずきそうになっている人を見たり、せりふが飛んで真っ白になっている人がいたり、1歩1歩、こうやって芸人さんのピラミッドを上がっていっている情熱はすごい。笑い取ることが、いかに難しいか改めて思った。リスペクトは2、3倍になった」

もう10年以上前から、毎年、1月2日は京都・祇園花月に行くのが恒例行事です。

準々決勝では亡き父の形見である“勝負ネクタイ”を締めてステージに立ちました。芸人ではないフリーアナがファイナリスト(9人)を目指します。

【松浦隆司】(ニッカンスポーツ・コム/コラム「ナニワのベテラン走る~ミナミヘキタヘ」)