年々存在感が増している。女優関水渚(25)。今期は5日にスタートした、テレビ東京「ブラックガールズトーク」(月曜午後11時6分)をはじめ、フジテレビ「婚活1000本ノック」(水曜午後10時)、MBS「彼女と彼氏の明るい未来」(木曜深夜0時59分)と3本のドラマに出演中。今や“ネクストブレーク女優”筆頭候補だ。【加藤理沙】

★演じ分け

「ブラックガールズトーク」では朝日奈央(29)石井杏奈(25)とトリプル主演を務める。「包み込んでくれる系のなおぽんと、愛情深い系のあんちゃん。どうでも良いことで笑い合えて、パワーをもらえます」と笑顔を見せた。仲良し3人組のおしゃべりで心のデトックスを図る、共感型ドラマ。

「何となく集まって帰る自由さがほのぼの日常系だなと。あとは、女子が集まったときに、絶対に否定しないおきてが守られる感じも日常感満載です」

膨大なセリフ量の会話劇には「つらくて放棄してしまいたい夜もありつつ…」と笑いながら、独自の工夫を明かした。

「私は耳で覚えるのが得意だと1年半前くらいに気付きました。それからは声を吹き込んで録音して、電車の中とかで聞いています。帰省したり、女子会が開催されるときには友達に読んでもらったりもします。10~20回くらい、地道に音で覚えていますね」

今期出演中の3作品の演じ分けを「アプローチの仕方が変わる」と冷静に分析する。

「『ブラック-』『婚活-』は芝居と同時に“キャラを立たせること”が必要だと思っています。オーバーリアクションだったりテクニック的な部分も加わる。特に『婚活-』は笑わせにいくので表情や言い方を含めて気持ちと計算の上で成り立つかな。『ブラック-』も自然でいながら、キャラを立たせた方が良いところは大げさな顔芸をしたり、全身で表現したり。一方で『彼女と-』は役の気持ちのまま、役として生きています。結構試行錯誤していますね」

恋愛からコメディーまで演技の振れ幅が広い。

「コメディーは最初、難しく考えていましたけど、今はいかにふざけられるか? にハマっちゃって超楽しいです。逆にしっとりした恋愛系は役のことしか考えられなくて家に役を持ち込んでしまうほど。裏を返せば、芝居に集中できている証拠。そこまで熱中できるモノがあって楽しいって思えます。あの~誤解なきよう、相手役と何かがあるわけではないのでファンの方は安心してくださいね、役と本人は別ですから。関水も別人です(笑い)」

★野球部マネ

芸能界を志したのは中学生の頃。「リッチマン、プアウーマン」に出演していた、事務所の先輩・石原さとみ(37)がきっかけだった。母親に反対され「けんか勃発」と振り返るが、17歳で「ホリプロタレントスカウトキャラバン」ファイナリストに選出された。

「どうしても石原さとみさんになりたくなっちゃって。ホリプロに入ればなれる! と思ったんです。若かりし頃の謎の自信です(笑い)。100点満点の笑顔で笑うところが大好きでひかれました。さとみさんになりたいと、日々両親を説得していました」

デビュー作の初主演映画「町田くんの世界」(石井裕也監督)はオーディションで選ばれた。

「俳優業は意外と性に合っているかもと思いました。飽き性なのにお芝居だけは飽きないし、飽き性だからこそ、いろんな役が出来ることが楽しいんだと思います。映画の撮影中は毎日監督に指導してもらって。最後はゼリーしか食べられない日もありましたけど、初めて自分で責任を持って、最後までやり遂げたと思えて自信もつきました」

多くの新人賞を獲得したが、プレッシャーに悩む時期もあった。転機は仲村トオル(58)とのダブル主演で、ドラマ初主演を果たした「八月は夜のバッティングセンターで。」だった。夏休みの間、バッティングセンターでアルバイトをする女子高生を演じた。

「トオルさんの背中を見て一緒にお芝居して、目を見ると心が動かされました。トオルさんの字で『Life is Baseball 臆せず前へ』と書いたボールを見つける場面があったんです。演技で見つけるシーンなのに、ジーンときて。その通りに俳優業を進んでいきたいと思ったんです」

自身も高校時代、野球部のマネジャーだった。

「やっていなかったら野球のことも全然分からないし、マネジャーをやって野球が好きになったので、野球の作品が転機になる。偶然が重なりましたね、なんかつながっているんですね」

★脳みそ芝居

明るく、エネルギッシュな関水も3作品のドラマ撮影が集中した今冬は「しんどかった」と告白。対処法はこう答えた。

「究極的にしんどくなる前に自分を仕事以外のところで甘やかすんです。整体に行ったり、ちょっと高くても好きなものを食べたり。仕事に支障が出る前にそういうことをやるべきだなと思いました」

「究極に大変だった」という1月初旬のストレス発散は「今回はちょっと高いけどイチゴ、無駄に高いパスタ、高いおすしを食べました。全部ひとりで!」と笑い飛ばした。今年で俳優業6年目に突入し「早いですね。それだけ楽しかったってことです」。悩んだときには先輩も力になってくれる。

「いろんな思いが重なった時があって。でも先輩も通って来たことだと思ったので、同じ事務所の先輩に相談したいと思ったんです。ある時偶然、妻夫木聡さんにお会いして、『周りの方と比べてしまって…どうすれば良いでしょうか』と長文で送ったら、お電話をくださったんです」

妻夫木から「渚は芝居が好きでやっているなら、まずは好きな芝居をうまくなること、皆を楽しませることを念頭に置くべきじゃないか」と言われたという。

「同じ経験をしている事務所の先輩の言葉はすごく響きました。とにかくお芝居や役に集中。難しく考えずに、“脳みそ芝居”にしておけばいいかと。妻夫木さんには感謝しています」

今後の目標は単刀直入に「もっと売れたいっすね」と即答した。

「この職業の良いところはたくさんの人を楽しませられること。今出演しているドラマでも皆さんの心を動かせたらいいなと思います。皆がハッピーで気楽に生きていこうかなと思ってもらえる作品作りが出来るようにしたいです」

▼「ブラック-」「シガテラ」などのプロデューサーを務めるテレビ東京・祖父江里奈氏

ひとことで言えば「天真らんまん」な女優。いつも笑顔で冗談を言ったりして、明るく場を和ませてくれます。特に「シガテラ」の時は過激なシーンの撮影もまったく物おじすることなく豪快にふるまうので、逆に共演者やスタッフの方が慌ててしまうほどでした(笑い)。正統派ヒロインの印象ももちろんありますが、テレビ東京の深夜ドラマらしいクセの強いキャラクターを今後も期待してしまいます。

◆関水渚(せきみず・なぎさ)

1998年(平10)6月5日、神奈川県生まれ。15年「第40回ホリプロタレントスカウトキャラバン」ファイナリスト選出がきっかけで芸能界入り。19年、初主演映画「町田くんの世界」で女優デビュー。ブルーリボン賞新人賞など受賞。TBS「4分間のマリーゴールド」でドラマ初出演。フジテレビ「元彼の遺言状」テレビ東京「シガテラ」NHK大河ドラマ「どうする家康」映画「コンフィデンスマンJP」シリーズなど出演。趣味はウインドサーフィン。159センチ、血液型O。

◆ブラックガールズトーク

仲良し女子3人組の周りにいる、お騒がせなヤバい人たちのブラックトークを描いた、共感型リアル体験ドラマ。小学館コミックアプリ「マンガワン」で人気連載中のマキノマキ氏による同名作品が原作。

 
 
 
 
2月、会見で笑顔を見せる、左から関水渚、朝日奈央、石井杏奈
2月、会見で笑顔を見せる、左から関水渚、朝日奈央、石井杏奈