入団7年目、新人ラストイヤーの蓮(れん)つかさが、月組新人公演「All for One~ダルタニアンと太陽王~」で初主演を射止めた。宝塚大劇場は8月1日、東京宝塚劇場は9月14日。

 「うれしい気持ちと、不安と…。(7年目で)いろんな役をさせてもらっているので、これぐらいは…って期待も大きくて、こたえられるかな? とか、頭の中がぐちゃぐちゃです」

 前トップ龍真咲の退団公演では本公演で龍の弟役。大役を果たし、新人公演でいえば、前作「グランドホテル」で女役に臨んだ。7年目の経験値は高い。

 「4年目の時(100周年作の)新人公演でショーがあって、1場面だけ、龍さんの位置でトップライトを受けました。視界が真っ白で、あっという間でした。そこから、もう1度(トップライトを)という思いはありました」

 与えられた役、立場を丁寧に務め、ついにセンターをゲット。その間に、月組では1年後輩の暁千星(あかつき・ちせい)が主力に成長していた。「後輩ですが、堂々としているところなど学ぶことがある。良きライバル」と意識する。

 もともと芝居は好き。小学3年から高校生まで、地元(宮城)の市民ミュージカルで演劇に親しんできた。高校2年時、仙台の七夕イベントで、男性が少なく身長が高かった蓮に男役が回り、男装して舞台に立ち「この道、好きかもしれない」。2度目の挑戦で宝塚音楽学校に合格した。

 東北を震災が襲った11年春に入団。「当時は落ち込みましたが、今は、全国ツアーで地元へ、というのが夢です。あたふたするタイプなので、(本役のトップ)珠城(りょう)さんの包容力、男らしさ、大きさを盗みたい」と課題意識を持ち、けいこに励む。

 ◆浪漫活劇(アクション・ロマネスク)「All for One~ダルタニアンと太陽王~」(脚本・演出/小池修一郎氏) 世界的古典作、デュマの「三銃士」をもとにコメディータッチで描くミュージカル。「太陽王」と呼ばれたルイ14世治世下のフランスが舞台。新参銃士隊のダルタニアンは、王の剣の稽古相手に任命される。だが、王はダンスのレッスンに熱中し、剣術には興味を示さない。ダルタニアンはある日、王家を揺るがす王の秘密を知ってしまう。ダルタニアンの愛、勇気、仲間との友情を交え、進む活劇。 

 ☆蓮(れん)つかさ 10月25日、宮城県生まれ。11年3月入団。月組配属。昨夏の「NOBUNAGA」本公演で前トップ龍真咲の弟役・織田信行に抜てき。今年1月の「グランドホテル」新人公演では女役ラファエラを好演。身長171センチ。愛称「このちゃん」「れんこん」。