11月24日付で退団する花組トップスター、明日海(あすみ)りおが25、26日に横浜アリーナで、コンサート「恋スルARENA」を行う。本拠地退団作を控えたプレ・サヨナラ。4人目の相手娘役、華優希(はな・ゆうき)お披露目公演にもなる。

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「明日海花組」4代目トップ娘役の華優希は、6年目の100期生。14年3月入団だが、配属は15年2月。すでに明日海がトップだった。「明日海さんの相手役と言われ、人生で一番というぐらい驚きました。雲の上の存在。手の届かない、近づくのも恐れ多いくらいで、まさか…そんなこと、あるんだという感じ」。

お披露目が横浜アリーナ。「ヒロイン・デビューの場面もいただき、そこはきちんと、メインキャラクターとして存在できるように」と覚悟も決めた。

明日海から「伸び伸びやっていい」と言われ「優しいお言葉に救われました」。ただ「甘えずに、男役さんを、すてきに引き立てられるような娘役でありたい」と娘役の原点を思う。

祖母、母も宝塚ファンだが、自身が初めて劇場に足を運んだのは受験直前。元雪組トップ音月桂の「ロミオとジュリエット」を見て、「私も夢を作る側にいきたい」と思い、初観劇の1幕の間に受験を決意した。

当初から娘役にあこがれた。「見ていて幸せになれる。心に花が咲くような気がした」と振り返る。名前に「はな」を入れ、偶然にも劇団最古の花組に配属された。「花娘になれたことがうれしかった」。男役がより輝きを増すのは、かれんで麗しい娘役の存在があるから。男役を支えながら、時には自ら光を放つ強さを持つ。

娘役としては異例10年目でお披露目だった前トップ娘役仙名彩世こそ、お手本そのもの。仙名の化粧回りには必然と後輩が集い、娘役の基礎を学んだ。華も仙名からの言葉を胸に刻む。

「何をするにしても自分の心を信じて、怖がらずに挑戦して。温かい心を込め続ければ道は開けるから」

大先輩の金言を胸に、花娘のヒロインとして、第1歩を踏み出す。

☆華優希(はな・ゆうき)11月13日、京都市生まれ。14年入団の100期生。花組配属。15年台湾公演に最下級生で参加。17年「邪馬台国の風」で新人初ヒロイン、同年、柚香光主演の「はいからさんが通る」もヒロイン。身長162センチ。愛称「はなちゃん」「のぞみ」。