宗教法人「法の華三法行」元代表で、詐欺罪で懲役12年の実刑判決を受け、昨年3月に出所した福永法源氏(70)の人生を描いた映画「塀の中の神様」(高橋伴明監督、来年4月公開)の製作発表会見が18日、都内の東映撮影所で行われた。
福永氏も本人役で出演しており、この日は2シーンの撮影後、会見に参加した。取材陣の前に姿を見せると、まず、出所後の現状と、公の場に出てくることを含めた心境を問われた。しかし、回答を拒否した。
「せっかくのご質問ですけれども、今日は映画の出演に関することのみを答えさせていただきたいと思います。よろしくお願いします」
それでも「現状が分からない」と質問され、藤原慎二プロデューサーが、福永氏が「法の華三法行」の後継団体の「天華の救済」とは無関係であることを説明した上で、「ご本人は現在、フリーの状態でいらっしゃるので、我々も(映画の)話を持っていった」などと話した。
その後、演じた感想について聞かれた福永氏は「演じるということは全く分からないものですから…だから、今日は監督のもとで表現させてもらう自体、せりふは少ないですが緊張して頭の中が真っ白です」と語った。
「塀の中の神様」は、当初「乱よ、来たれ!」という仮題がつけられていたが、福永氏が著書の中で、刑務所内で「神様」と呼ばれていたエピソードを紹介したことを受け、製作関係者が協議し、会見のタイミングで変更が発表された。
同作では、福永氏が拘置所、刑務所を含め、詐欺罪の初犯としては異例の15年も勾留されたのはなぜか、という部分に着目。福永氏の波瀾(はらん)万丈の人生を描く実録映画パートに加え、福永氏の被害に遭った元信者や弁護士など、福永氏に反論する人々の声を取材したドキュメンタリーパートで構成される。
高橋監督は、福永氏本人を取材した上で、オリジナル脚本を書き上げた。連合赤軍を描いた01年「光の雨」や袴田事件を描いた10年「BOX 袴田事件 命とは」を手掛けた実績がある。「(『法の華三法行』の事件は)センセーショナルな事件であり、被害者とされる人のことをどう思うのか、という疑問もあると思いますが、僕の中で犯人ないし、犯人であろうとされる人の視点で、ずっと映画を作ってきた姿勢は全く変わらない。足りない部分は法源さんにしゃべってもらう」とインタビューパートの撮影も示唆した。
福永氏の母房子さんを演じた島田陽子(62)は「伴明監督のシナリオは、フェアな事実に則って厳しく明確に描いている」と、高橋監督の脚本の正当性を訴えた。
会見には、福永氏の壮年期を演じた松田優(52)、青年期を演じた鈴木祐真(24)、福永氏の右腕・中井徹役の中西良太(62)、青年期の福永氏の恋人浜田邦子役を演じる荒井久美子(29)、宗教家・村中役の大鶴義丹(47)が登壇した。ほか奥田瑛二(65)哀川翔(54)らが出演する。



