中山美穂(45)が、来年から本格的に歌手活動を再開することが3日、分かった。前日2日に生放送されたフジテレビ系特別音楽番組「2015FNS歌謡祭」(平均視聴率16・1%=ビデオリサーチ調べ、関東地区。以下同)に19年ぶりに出演。テレビでの歌唱も18年ぶりだったが、中山の歌唱シーンは同番組瞬間最高視聴率20・2%を記録。関係者らも大きな手応えをつかんだ。

 “歌手ミポリン”が帰ってきた。緊張の面持ちで「FNS」のステージに立った。92年と94年にミリオンヒットを記録した2曲。「世界中の誰よりきっと」と「ただ泣きたくなるの」をメドレーで歌った。声が震える場面もあったが、当時と変わらぬ歌声を披露し、終了後のツイッターでは「生きた心地がしなかった! 笑 これからもっとトレーニングしようと思う。皆様ありがとうね」と、感想をつぶやいた。

 視聴率が跳ね上がった。メドレー2曲目の「ただ泣きたくなるの」の午後9時57分に20・2%に達した。その後に続いたAKB48と谷村新司の「赤鼻のトナカイ」も20・2%。両曲が、74組全79曲の中で最高視聴率を記録した。テレビでの歌唱は、97年のフジテレビ系「TK MUSIC CLAMP」以来。懐かしいミポリンの姿が、大勢の目に留まったあかしだった。

 この結果には、所属事務所やレコード会社ら関係者も沸いた。シングル曲とオリジナルアルバムを最後にリリースしたのは99年9月。今年7月にはデビュー30周年記念で全シングル曲のBOXを発売したが、新曲は約16年3カ月も出していない。関係者は「本人もやる気になったからこそ、久々に歌番組に出演した。来年には新しい報告もできるでしょう」と新曲の準備を進めることを示唆した。別の関係者は「来年はドラマや映画も、今まで以上に出演していく」と明かした。

 02年の辻仁成との結婚後はパリに移住し、芸能活動を休業。10年の主演映画「サヨナライツカ」で女優復帰し、昨年7月に離婚。単発ドラマや映画で、少しずつ女優活動はしていたが、もともとは、アイドル時代からレコード総売り上げ1700万枚以上を誇る歌手。人生の紆余(うよ)曲折をへて40代になった今、昔よりも味わい深い歌を届けてくれそうだ。

<歌手中山美穂アラカルト>

 ◆日本レコード大賞最優秀新人賞 85年に「C」でデビュー。同年受賞。

 ◆NHK紅白歌合戦 88年から94年まで7年連続出場。

 ◆180万枚超え 「世界中の誰よりきっと」は、自身最大のミリオンヒット。80年代デビューの女性歌手で、2作のミリオンヒットを記録したのは初。

 ◆オリコン1位 シングル39枚中、8曲が1位に。

 ◆「月9」女王 連続ドラマは通算21作品に主演。フジテレビの看板枠、月曜午後9時の連ドラ主演は7作品(女優で史上最多)、うち4作品は主題歌も担当。