テレビ朝日は8日、3月いっぱいで「報道ステーション」(月~金曜午後9時54分)を降板する古舘伊知郎氏(61)の後任に、同局の富川悠太アナウンサー(39)を起用すると発表した。富川アナは横浜国大卒で99年入社。04年4月に同番組がスタートして以来番組のフィールドリポーターを担当してきたほか、古舘氏の夏休み時には代役を果たしてきた。

 “ポスト古舘”は、本命の富川アナに落ち着いた。昨年12月24日の古舘氏の降板発表会見後、後任候補として1番手に名前が挙がっていた。11年10月からは「報道ステーションSUNDAY」のキャスターを務めており、ここ数年は古舘氏の夏休み時にはメーンキャスターを務めてきた。その安定感やバランス感覚が評価されての“昇格”となった。

 古舘氏の年間のギャラは12億円以上と言われている。羽鳥慎一(44)宮根誠司(52)らフリーの人気キャスターも後任候補に挙げられたが、局アナを起用することでテレビ朝日は大きな経費削減を選んだことになる。

 富川アナは12年間にわたり、同番組のフィールドリポーターを務めてきた。事件、事故、災害、政治などの大きなニュースや特集企画などで、現場取材をこなし、お茶の間にリポートしてきた。都立国立高時代は野球部の副主将を務め、ポジションはショート。横浜国大教育学部では体育学を専攻して、小学校教諭の免許を持っている。

 06年11月に一般女性と結婚し2男の父。時代劇が好きで、02年3月には同局「八丁堀の七人」に、板前役で出演して俳優デビュー。同年8月の「暴れん坊将軍」では、主演の松平健(62)とセリフを掛け合った。14年12月には、同年8月に筋萎縮性側索硬化症で亡くなったいとこの富川睦美さんを取り上げた「笑顔の約束~難病ALSを生きる~」に出演。同番組は、昨年11月に民放連のテレビ教養部門で優秀賞を受けている。

 富川アナは「背中を追い続けてもまったく近づくことすらできなかった古舘キャスターからいきなりタスキをつなぐことになり、まだ現実のものとして受け止められておりませんが、少しでも視聴者の皆さまの役に立てるよう努力して参る所存です」とコメントした。

 ◆富川悠太(とみかわ・ゆうた)1976年(昭51)9月3日、名古屋市生まれ。都立国立高を経て、横浜国大教育学部小学校教員養成課程体育専攻を卒業。99年4月、テレビ朝日にアナウンサーとして入社。過去に「やじうまワイド」「やじうま+」「スーパーJチャンネル」などを担当した。175センチ。血液型A。