ビートたけし(68)が16日、東京・丸の内TOEIで行われた主演映画「女が眠る時」(ウェイン・ワン監督、2月27日公開)舞台あいさつで、解散騒動の渦中にあるSMAPをネタにした。たけしは「ヒントとなるキーワードは?」と聞かれると「SMAPのトラブルです」と即答。客席は爆笑に包まれ、会場は沸いたが、共演の西島秀俊(44)が「いいんですか、今の?」と言うなど、壇上の共演者は複雑な笑みを浮かべていた。

 たけしは、この日も言いたい放題だった。新井浩文(36)が「あいつ、1シーンしか出ていないのに、よくノコノコ舞台あいさつに出てきたなと思われると思うので先に謝っておきます。すみません」と謝罪するのを聞き「私の『MOZU』よりいいでしょ? 宣伝の方が多かったという。『何とかの約束』って」と苦笑いしながら言った。

 たけしは西島と共演した「劇場版 MOZU」で戦後最大の黒幕を、現在公開中の「人生の約束」では、竹野内豊演じる主人公を追う刑事を演じたが、いずれも出演時間が短かったということをネタにしたようだ。ただ両作品とも、「女が眠る時」配給の東映とはライバルに当たる東宝の作品だけに、司会から「あの…たけしさん、申し訳ありません。『女が眠る時』の話を伺っていきたいと思います」とくぎを刺された。

 一方、完成会見では映画監督・北野武として映画界への思い、提言を口にした。自身の監督作品以外では04年「血と骨」以来12年ぶりに主演する今作は、前日15日に世界3大映画祭の1つ、ドイツ・ベルリン映画祭パノラマ部門への出品が決まった。そのことについて聞かれると熱く語った。

 「『スター・ウォーズ』、『007』とかディズニーランドみたいな映画が好評を博し、興行収入何億、何万人動員などとあおる映画が多いけれど(『女が眠る時』が)映画を見た観客の思考回路を刺激する、知的エンタメ的な、いい時代の映画のような作品になったのは良かったと思う。映画における文化、芸術を追究した直木賞、芥川賞みたいな映画を製作した東映、ワン監督の力…じゃなく、私のおかげですって、何言ってるんだろう、俺(苦笑い)ベルリン映画祭のような国際映画祭に参加することで、見てくれる観客が増える。いい意見、厳しい意見もあると思いますが、お客さんに見てもらうことが大事。国際映画祭は最近5、6大映画祭とか、東京国際映画祭まで7大映画祭とか増えてきているけど(3大映画祭と言われる)カンヌ、ベルリン、ベネチアくらいでいいのでは? 」

 またワン監督から刺激を受けた点について聞かれると、「役者とミーティングを、こんなにするのかと思った。監督は各自、手法が違うが(現場に)いるだけで刺激を受けないはずはない。だからこそ、いろいろな監督の現場に役者として参加したい。(自分の中で)なくしちゃいけないものはあるし、(他の監督の手法が)合わないものもある。何かの糧になればいいと思う」と語った。

 この日は忽那汐里(23)も登壇し、たけしに本番中、誤ってかみそりを投げ付けたエピソードを明かした。「1回目に当ててしまい、ヤバいと思ったら2回も当てた。でも『全然、大丈夫』とおっしゃってくださった」と笑顔で振り返った。