解散危機にある国民的アイドルグループ、SMAPで、唯一ジャニーズ事務所残留を決めていた木村拓哉(43)が、独立を表明しながらも翻意して残留したい中居正広(43)ら4人の意向を直接受けて、力を貸していることが16日、分かった。事態打開の可能性を模索すべく、木村はメンバーと直接電話で話したという。木村の態度軟化で事態急変の可能性も出てきたが、解散回避は厳しい状況であることは変わっていない。

 木村がメンバーのために、ついに立ち上がった。関係者によると、木村はメンバーと直接電話するなどしてコンタクトを取っている。中居、稲垣吾郎(42)草なぎ剛(41)香取慎吾(38)の4人の、ジャニーズ事務所に残りたいという固い意思を直接確認し、副社長のメリー喜多川氏に連絡。いったんは同事務所からの独立を明確に意思表示した4人について「グループに戻してやってほしい」と、メリー氏に話したという。

 現在、木村は主演映画「無限の住人」の撮影で京都に滞在中。まもなく撮影が終わる予定で、帰京後に本格的に事務所と4人の間に立って関係修復を図り、グループ存続に向けて動きを活発化させるとみられる。

 育ての親の女性マネジメント室長の退社に伴い、SMAPの独立問題が浮上したのは半年以上前。意思確認を求めた事務所に対し、育ての親に追随する形で中居、稲垣、草なぎ、香取は昨年11月までに独立を表明。一方、木村は「育ててもらった事務所に恩義がある」として同12月までに残留を表明した。これでSMAP解散が確定的になった。

 仕事のすべてを取り仕切っていた女性マネジメント室長に追随するのは、SMAPを続けるため。そう信じて独立の意思を固めた中居ら4人は、木村の残留に反発。木村との間には大きな溝が生まれた。全員での仕事では、メンバーが木村に対して冷たい態度を取る様子も目撃されている。

 13日の日刊スポーツの解散報道を受けて、独立を表明した中居ら4人は事態の重大さを痛感し、一転して残留を希望した。特に中居は解散報道後も一時は退社の意思を示したが、存続を望むファンの声はもちろん、大物芸能人ら周囲に相談する中で、残留の意思を固めた。今はリーダーの中居が動揺する稲垣、草なぎ、香取を引っ張る形でまとめている。木村は第三者を挟まず、中居ら4人の意向を直接くみながら、メリー副社長を説得している。

 今年25周年のSMAPだが、現在CDリリース予定もなく、グループ活動は白紙状態だ。最初から残留を決めていた木村はもちろん、所属タレントに対しても示しがつかないとして、4人の残留を簡単に認められない事務所の姿勢は一貫して変わっていない。

 バラバラになった5人がようやく団結したとはいえ、解散が確定的になってからすでに時間も経過している。グループ存続に向けて厳しい状況が続いている。

※草なぎのなぎは弓ヘンに前の旧字の下に刀