沢田研二(68)が26日、全国ツアー初日公演を東京国際フォーラムで行った。1967年(昭42)のデビュー以来、毎年恒例となっているツアーをパワフルにスタートさせた。

 68歳になっても、ジュリーは健在だ。オープニングでアップテンポの「ポラロイドGIRL」が流れると同世代女性を中心にした総立ちのファン5000人に迎えられた。場内を包む悲鳴のようなかん高い歓声に応えるように両腕を突き上げると、その後もステージを縦横無尽に動き回り、ジャンプも披露。口に含んだ水を勢いよく噴き出すパフォーマンスも見せた。「TOKIO」など大ヒット曲から最新曲「un democratic love」まで23曲で楽しませた。

 一方で社会問題にも触れた。「障害者を600人殺すというやつが出てきて、のほほんとライブをしていていいのか」。障害者施設で起きた殺傷事件に心を痛めた。人気ゲーム「ポケモンGO」をめぐる騒動にも「オタクを外に出したいから作ったって、出てきたら事故が起きている。おそろしいで~」とユーモアをまじえて皮肉った。

 来年はデビュー50周年、再来年は古希を迎える。正月にコンサートツアー、春に音楽劇、夏から秋にかけて全国ツアーを行うのが慣例で今回も全国39カ所を回る。貫禄あるおなかをなでながら「ジャンプも全然飛んでなかったな」と苦笑いしたが「あと何年できるのか。(還暦時に実施した)東京ドームはもう無理かもしれないけど日本武道館なら…。イベントも楽しく考えていきますよ」と約束。ジュリーの輝きは色あせることがない。【大友陽平】

 ◆沢田研二(さわだ・けんじ)1948年(昭23)6月25日、鳥取県生まれ。岸部一徳らとザ・タイガースを結成、67年シングル「僕のマリー」でデビュー。71年からソロになり、73年シングル「危険なふたり」がヒット。77年シングル「勝手にしやがれ」で日本レコード大賞受賞。俳優としても「太陽を盗んだ男」「魔界転生」などの映画に主演したほか、00年NHK連続テレビ小説「オードリー」にも出演。妻は89年に再婚した女優田中裕子