英国を代表するロックバンド、クイーンと米歌手アダム・ランバート(34)がタッグを組んだ「クイーン+アダム・ランバート」の来日公演(日刊スポーツ新聞社主催)初日が21日、日本武道館で行われた。

 クイーンは73年デビューの4人組ロックバンドだが、ボーカルのフレディ・マーキュリーさん(享年45)は91年に死去。ベースのジョン・ディーコン(65)は事実上音楽活動から引退しており、ギターのブライアン・メイ(69)とドラムのロジャー・テイラー(67)という顔ぶれだった。

 ボーカルは「神の声域」と称されるアダムが務めたが、クイーンとアダムの出会いは09年5月、米人気テレビ番組「アメリカン・アイドル」での共演だった。以来世界各地を周り、フレディ生誕70年、没後25年となる今年、武道館での公演も実に31年ぶりとなる歴史的な公演となった。

 冒頭から6曲連続での演奏後、「武道館でクイーンを歌えるのは、幸運で幸せ。フレディはいつも僕の心の中にいる。フレディがいなければ今夜のステージはなかった。みんなで一緒にフレディを祝ってほしい。今日の衣装も靴も、フレディを意識した」とアダムは話した。ギターのブライアン・メイは「みなさん、こんばんは。元気ですか。東京大好きです」と日本語で話し、自撮り棒でステージから撮影すると「どうもありがとう」とお礼をした。

 今年1月に亡くなったデビット・ボウイさんとコラボレーションした「UNDER PRESSURE」ではステージ後方ビジョンにデビットさんの映像を流し、「LOVE OF MY LIFE」「BOHEMIAN RHAPSODY」ではフレディさんの映像と共演した。日本公演のみの演奏として、歌詞の一部が日本語の「TEO TORRIATE」とドラマ主題歌やCMソングにも起用された「I WAS BORN TO LOVE YOU」を披露した。

 アンコールでは、ロジャーのドラムから「WE WILL ROCK YOU」が始まり、そのまま「WE ARE THE CHAMPION」でフィナーレを迎え、最後は「GOD SAVE THE QUEEN」をSEにメンバーが集まってあいさつという、王道パターンで初日を締めくくった。この日集まった9000人のファンに、約2時間半のパワフルなステージで全23曲を披露した。