ビートたけし(70)が1日、東京・浅草の東本願寺で行われた、先月28日に胃がんで死去した「浅草ロック座」斉藤智恵子名誉会長(享年90)の通夜に出席した。

 俳優勝新太郎さん(享年65)の後援者として知られた斉藤さんは、97年の勝さんの死後はたけしを後継者に指名。たけしは03年に勝さんの代表作だった映画「座頭市」に監督主演した。

 たけしは「斉藤ママが、オレの所に来て『勝新の後は、お前だ。座頭市を撮れ』って言われた。豪快な人で、女でよかった。男だったら全国制覇しているか、殺されるかだった。かわいくて、優しくて、軍団にも小遣いをくれた。前は土曜、日曜に必ず会いに来てたけど、テレビのレギュラーの仕事が入っちゃってね。浅草に来んのもつまんなくなっちゃったね」としのんだ。

 踊り子から劇場経営者になり、数多くの芸能人の後援者となった斉藤さんを「本当に、裸一貫からすごい。ああ~、お母さん、よくやった、よくぞここまで見事に生きた。すごい人だ」。浅草のフランス座のエレベーターボーイとしてくすぶっていた時代は、ロック座の経営者だった斉藤さんを仰ぎ見ていた。「100歳まで生きると思っていたけど、大往生だね。いろいろな話を聞いて笑ったけど、本に残さなくちゃいけない。岸本加世子ちゃんと会わせて一代記を映画化しようと、台本を書いたこともある。家族に迷惑掛けちゃう部分もあるけど、台本を直せばできるかな」と意欲を見せた。

 通夜には小向美奈子、内田裕也、ガダルカナル・タカ、ゾマホン、高須基仁モッツ出版社長ら、芸能関係者も多く参列した。