演歌歌手走裕介(43)が12日、都内で、「第2回RUNRUNコンサート」を開催した。2月16日に亡くなった師匠、船村徹さん(享年84)の楽曲を中心に、アンコールを合わせて24曲を熱唱した。

 船村さんへの思いを聞かれると「亡くなってから、夜中に急に目が覚めるようになった。『先生(船村さん)が来たのかな』と。それだけつながりが深く、濃く、大きい存在でした」と感慨深い表情を見せた。さらに、「思い出の曲は『故郷の山が見える』。付き人時代、最初に歌った曲だが緊張で歌詞を忘れてしまった。先生ににらまれました」と苦笑いした。最近も「悲しくないのに、先生の曲を歌っていると涙が出てきた」と話し、悲しみがまだ癒えていない様子をうかがわせた。

 生前、船村さんからは親しみを込めて「でれすけ(北関東弁で『ばかもの』の意味)」と呼ばれていた走。今年は主に、船村さんの楽曲を歌っていくそうで「先生の5500以上ある曲を、できるだけ多く歌い継いで、皆さんにお届けしたい。それが1つの供養になるのでは。しっかり歌わないと、また『でれすけ!』と言われる」と前を向いた。

 コンサートでは昨年に続き、歌舞伎十八番の1つで滑舌訓練などにも使われる長せりふ「外郎売り」も披露。「練習がラジオでのしゃべりに役立っています。まだアナウンサーの仕事がこないので、よろしくお願いします」と答え、取材陣を笑わせた。