武井咲(23)主演のテレビ朝日系連続ドラマ「黒革の手帖」(20日スタート、木曜午後9時)の制作発表が10日、都内で行われた。同名の松本清張小説が原作。親の借金を背負い、銀行で派遣社員として働く原口元子が、銀行から横領した1億8000万円を元手に銀座のクラブママとなり、夜の世界でのし上がっていく。82年に山本陽子(75)、84年に大谷直子(67)04年に米倉涼子(41)の主演で連ドラ化されている。

 白い着物姿の武井は、初の悪女役に「毎日楽しいです。こんなに気持ちのいい役は初めて。『できるの?』という目で、試されている面もあるので、元子のように打ち破りたい」と話した。

 撮影が始まる前には、実際に銀座のクラブを訪ねてたくさんのママに話を聞いた。「今まで明るい時間にしか銀座に行ったことがなかったんですが、夜になると変わりますね。品が良くもつややかで、とても色っぽい、自分にはないものを持っている方ばかり。お店を持つ時の覚悟や心情を聞いてきたので、それを生かして演じたい。元子のように腹をくくって、調子に乗らせていただいて頑張ります」と話した。

 元子が最初に務める銀座のクラブのママを演じる真矢ミキ(53)は、平日はTBS系の情報番組「ビビット」(月~金曜午前8時)の司会を務める。しっとりとした黒い着物姿で「他局で朝の番組をやってるんですけど、夜の女のアンニュイなところが心地よい(笑い)。朝の化粧が濃くならないように気をつけます」。宝塚時代は男役のトップスターとして鳴らしたが「咲ちゃんみたいなママのいる店だったら、もみ上げを描いて、もう1度男装してお店に行きたい」と笑顔を見せた。

 武井とフジテレビ系連続ドラマ「息もできない夏」以来、5年ぶりの共演となる江口洋介(49)は汚れ仕事にも手を染める政治家秘書役。「『お久しぶりです。大人になりました』と声を掛けられたけど、武井さんは若いときから、しんが強かった。着物姿の迫力が違う。たたずまいというか、武井さんの中で女優としての魂が燃えている。今までのイメージを覆す思いを感じた」と話した。