大みそかのNHK紅白歌合戦への初出場が決まった演歌歌手の丘みどり(33)が、デビュー当時に派手な衣装のため批判されて悩んだことや、支えてくれた亡き母への思いを語った。

 丘は22日放送のフジテレビ系「バイキング」にVTR出演。デビュー13年目にしてつかんだ紅白出場について「少しずつ実感が湧いてきたなっていう感じはしますね」と語った。

 演歌歌手としてのデビューは20歳だった05年。「うれしかったというか信じられない気持ち」と当時の心境を振り返ったが、へそ出しやミニスカートという露出の多い衣装でのデビューには困惑したという。「『デビューの衣装、これだから』って持ってこられた時は、『えー、そんなことある!?』と思って。めちゃくちゃ抵抗ありました」と語った。

 その衣装のために批判を浴び、「『演歌をそんな服で歌うなんて何事だ。バカじゃないか。そんな格好で歌うもんじゃない。見てる方が寒いからもう嫌だ』みたいなことを言われて、すごい悲しかったし傷ついたし、厳しいなと思った」という。さらに弟が「お前の姉ちゃん、へそ出して演歌歌ってるやん」といじめられたと明かし、「恥ずかしいのと申し訳ないのと、いろんな気持ちが入り交じって複雑でした」と振り返った。

 そんな中、幼い頃から二人三脚で歩んできた母から「あなたが選んだ道なんだから、文句言わずにもっと一生懸命、歌を練習しなさい。プロとしての意識がなさすぎる」と叱咤(しった)激励され、プロとして生きていく覚悟を決めたという。しかしデビューの翌年に母は大腸がんのため47歳の若さで死去。丘は亡くなる前の母に「私、絶対に紅白に出るような歌手になるから、それまでちょっと待っといて」と誓ったという。

 今回の紅白出場に「きっと母が喜んでくれるだろうな」と丘。「もちろんうれしかったですけど、母に見せてあげたかったなと。もっと早くにかなえたかったという思いはあります」と複雑な思いを明かしつつ、「感謝の気持ちを込めて、しっかりと最後まで泣かずに歌い切りたいと思っています」と意気込みを語った。