北野武監督(ビートたけし=70)が「アウトレイジ 最終章」で石原裕次郎賞に輝いた。

 北野監督はあいさつで、いきなり「浅野忠信の父です」と一言。5日に覚せい剤取締法違反(使用)の疑いで逮捕された芸能事務所「アノレ」社長で、浅野忠信の父の佐藤幸久容疑者(68)の件を絡めたブラックジョークを披露した。

 「アウトレイジ 最終章」は、初めてのシリーズ映画の完結編。「第2作から最終章にしようと思っていた。4、5、6…英国から海外に行って、世界のマフィアを全部、倒そうと思っていたけれど、こっちがくたばっちゃう。休もうと思った」と語った。

 「アウトレイジ 最終章」にはベテラン俳優が多数、出演するが、塩見三省は14年に脳出血で倒れ、西田敏行(70)は頸椎(けいつい)亜脱臼と胆のう摘出手術を終えたタイミングでオファーを受けて撮影と、俳優陣の健康状態が厳しかったことも話題になった。北野監督は「塩見さんは倒れ、西田さんも病気…衣装合わせの時に映画、変えようかなと心配した。映画が始まると、ものすごい芝居をしていただき、映画にかける役者の心持ち、現場は、こんなにすごいのかと見せつけられ、感動しました。ベテランの役者さんたちの、すばらしい演技で出来たようなもので、みなさんに感謝しています」と俳優陣に感謝した。

 98年「HANA-BI」以来2度目の受賞となった。北野監督は、石原裕次郎さんについて聞かれ「前にしゃべったと思いますが、僕は渡哲也さんが公私ともども好きで、気配りがすごいなと、よく話す。渡さんが俺(が渡のことを話すのと)と同じように裕次郎さんのことを語るんで会いたいなと思ったんですけどかなわず…2回目の受賞だと思うんですが、本当にありがたい」と感慨深げに話した。