この季節にけっこうハードに感じるのが、野外で開催される映画のプレミア・イベントの取材だ。

 ハリウッド大作の場合はたいてい東京・六本木ヒルズのアリーナがその現場となる。ビル風が吹き込み、陽が落ちた後の体感気温は気象庁発表のそれより明らかに数度低い。

 過酷な撮影に慣れているからだろうか。こういう時、さっそうとレッドカーペットを歩くハリウッド俳優の耐寒力に感心する。

 先日の「ブライト」(デビッド・エアー監督)のイベントでは、ウィル・スミス(49)が笑顔満面で1時間近く、サインやツーショット撮影でファンサービスに努めていた。分厚いコートに主催者支給の簡易カイロで「武装」したこちらと違い、さっぱりとしたスーツ姿がまぶしい。

 女性はもっとたいへんで、共演のノオミ・ラパス(37)は胸ぐりの深いパンツスーツ姿だったが、こちらも笑顔が印象的だった。

 スター・ウォーズ・シリーズ最新作「最後のジェダイ」のイベントでは、66歳のマーク・ハミルがやはり薄手のジャケット1枚で涼しい笑顔を見せた。

 この季節でも小春日和の日になると半袖1枚で平然と歩く外国人観光客を見かけることがある。北欧系の人ならば何となく理解できるが、明らかにラテン系の人の涼しい顔にも何度か出くわした。耐寒酵素のようなものを持っているのだろうか。

 プレミア・イベントを薄着で耐える気は毛頭ないが、小春日和の肌寒さにはもう少し慣れた方がいいのかもしれない。血圧と心臓に相談しながらではあるが。