チリ出身の女優ダニエラ・ヴェガ(28)が主演映画「ナチュラルウーマン」の2月公開を前に29日、都立西高で講演した。

 映画はトランスジェンダーの女性が苦難を重ねながらも力強く生きていく物語。ヴェガ自身もトランスジェンダーで、本国では歌手としても活躍している。

 「映画の主人公は最愛の人を失い、その遺族から葬儀に参加することも許されません。それでも誰も自分の人生を妨げることはできないと信じています」

 ヴェガの力強い言葉に生徒たちも聞き入っていた。

 生徒たちの質問に答える形で「自由である。誰もが共生できるということはとても大切なこと。これから父、母となる皆さんにしっかり考えていただきたい」とも。

 監督は「グロリアの青春」(13年)で知られるセバスチャン・レリオ。「やりがいのある役をチリを代表する人に監督していただけたのは何よりの栄誉です」とヴェガは言う。

 次回作ではストレートな女性を演じている。「役を引き受けられるかどうかを決めるのは、私の能力と演じたいという欲求だけだと思っています」と決意も明かした。