テレビ朝日は29日、日本相撲協会の許諾が必要な映像使用を巡り、情報番組「ワイド!スクランブル」の制作会社スタッフが承認書類の偽造などをしたと発表した。テレ朝は同日までに相撲協会に謝罪し、報道局次長兼情報センター長と報道局情報センターCP(番組チーフプロデューサー)を減給1カ月の懲戒処分とした。

 テレ朝によると、書類を偽造したのは、制作会社の30代の男性アシスタントディレクター(AD)。17日の放送に向け、番組で保管していた相撲協会の決裁印が入った過去の承認書類を、日付や放送日を書き換えて偽造。結果的に映像は放送されなかった。

 相撲協会からの指摘で行為が発覚。ADは相撲協会の受付時間を過ぎていたため放送に許諾が間に合わなかったと説明しているという。

 ADは10日の放送でも、申請書類でテレ朝側の担当者のサインを偽造したが、相撲協会への提出を失念。許諾を得ないまま映像は放送された。

 同番組では昨年11月から12月にかけて、相撲協会への申請を怠ったまま映像を3回使用したことも判明。テレビ朝日は「再発防止に努めます」と謝罪している。また篠塚浩取締役報道局長が報酬の5%を1カ月間自主返上すると発表した。