テレビ朝日系で放送中のオーディション番組「ラストアイドル」（土曜深夜０時５分）から生まれた、５つのアイドルユニットが、放送中の２ｎｄシーズンで、２枚目シングル（４月１８日発売）の表題曲をかけたバトルを展開してきました。３１日深夜の放送回で優勝チームが決まるのを前に、ファミリーの全ユニットインタビューをお送りします。第４回は、崖っぷちから勝ち続けて決勝進出を決めた王道アイドルユニット「シュークリームロケッツ」です。
【瀬津真也、森本隆】
秋元康氏がプロデュースする若い女子３人ユニットのシュークリームロケッツ（通称シューロケ）は、どん底から勝ち上がってきた。５ユニットによる総当たり戦は黒星スタートで最終結果は２勝２敗。決勝トーナメント（以下決勝Ｔ）最後の１枠は、同率３位だった大本命のラストアイドルに視聴者投票で競り勝ち、やっとの思いでつかんだ。そして２４日の前回放送の準決勝では、総当たり戦では負けていたＬｏｖｅ Ｃｏｃｃｈｉと再戦。秋元康対つんく♂という、日本の２大アイドルプロデューサーの代理戦争に勝利した。ただし、４人の審査員の評価は１対３だった。運良く、今回の裁定権を持たされた審査員が、自分たちを支持した１人だったため、薄氷を踏む思いでの決勝進出だった。
小澤愛実（１４） 準決勝のパフォーマンス後に、審査員がみんなＬｏｖｅ Ｃｏｃｃｈｉの感想を話していて、もうダメかと思いました。勝ち上がれたのはうれしかったんですけど、運が大きかったです。
直前の決勝Ｔの最後の１枠を、視聴者投票でラストアイドルと争ったのは、もっと切ない瞬間だった。なぜなら、長月翠（１７）は、ラストアイドルとの兼任メンバーだから。自分のチーム同士で生き残りをかけた“ラストバトル”を戦ったのだ。
長月 実は、これは視聴者投票の発表時よりも、１つ前の総当たり戦の最終戦でラストアイドルと戦った時の方が一番つらかったんです。
当時のラストアイドルが２勝１敗で決勝Ｔ進出に王手をかけていて、シューロケは１勝２敗と崖っぷちだった。
長月 当日の収録前までは余裕だったんです。ところが、いざ収録が始まるとパニック。司会のユースケサンタマリアさんの質問が耳に入らないし、「両方で戦ってるのは大変でしょ」って言われたら、すぐに胸に刺さってパフォーマンス前から泣きそうになっちゃうし。だって、シューロケが勝ったら２勝２敗の同率で視聴者投票の延長戦になっちゃうんですよ。ファンの方々に、どちらに投票してなんて言えるわけもないし、余計に苦しい。だって、私はどっちでも勝ちたいんですもん！ 兼任させて、そのユニット同士で戦わせるなんて、本当に企画を考えた人たち…。（ほおをぷっくり膨らませて）もう～大人の人たち大嫌い！！（苦笑い） ２ユニットで総当たり戦を散々戦って、最後にその２ユニットで延長戦ですよ。もう、ひどすぎです（泣き笑い）。
ラストアイドルファミリー全５ユニットの全２５人の中で、兼任は長月ただ１人。「ラストアイドル」のメンバーの座を争った１ｓｔシーズンでは、最初の暫定メンバーから１度は敗れ去ったものの、想定外の事態で急きょ開催された敗者復活戦でメンバーに舞い戻った。９カ月の同番組で、最もドラマチックな、いや最も振り回されたメンバーだ。
長月 兼任は、戦いもみんなの倍でした。１日３本録りの時は、１本目はラストアイドルとして戦って勝って、２本目はシューロケで負けて、３本目でラストアイドルに戻るという（苦笑い）。もう、気持ちはぐちゃぐちゃ。しかも、合間は衣装と髪形を変えるための１５分間しかなくて、気持ちを整える余裕なんて全くなかったんですよ。だから無心で、とりあえず全力でやるしかなかった。
小澤 私たちも１回戦うだけでも、疲労感がすごかったんです。それを１日３回も、しかも違うユニットで。時折、みーたん（長月）がぼうぜんとしてたりするのも横で見てて、「そりゃあ疲れるよね。でも、私は声をかけるぐらいで、ほかに何もしてあげられない」って、こっちまでつらくなる時がありました。見守るしかできなかったから。
松本ももな（１５） でも、大変なのに、シューロケでも、いつも踊りとか完璧にしてくれてて、頑張っているのが伝わってきてて、本当にみーたんはすごかった。
長月 でしょー！ もっと言って言って、褒めて褒めて（笑い）。でも、ラストアイドルの仲間も、シューロケの２人も、違うユニットでの戦いを「さっきの歌良かったよ」とか「次の私たちでは勝とうね」とか、励ましてくれたのは、本当に救われた。勝ち負けでは表せないみんなの気持ちがうれしかったなぁ。
時計の針を２ｎｄシーズン初回に戻して、５ユニットのそれぞれのプロデューサーが決まる時。シューロケは、最後のカードを引いて、秋元康氏に決まった。
長月 心の中でガッツポーズしました！ カードを引いた（松本）ももなちゃんを、楽屋で「大手柄だよ～」って、メッチャ褒めました（笑い）。私たち含めて最後の２つになったとき、残っていたのが秋元さんかつんく♂さんでした。どちらもすごいアイドルプロデューサーなので、「私たちは成長できる」って確信してました。そして、秋元さんに決まって、やっぱり３人とも憧れていた方なので、うれしかったです。
曲は「君のＡｃｈｏｏ！」。Ａｃｈｏｏは英語で「ハクション」。くしゃみだ。曲中で、くしゃみをするかわいくて個性的な楽曲と振り付け。しかし、初戦黒星スタートで、秋元氏にマイナーチェンジの直訴までしていた。
小澤 負けて焦りが出ちゃって。「このままじゃダメだ。何かを変えなきゃ」って話し合って、秋元先生に相談したら、「このまま何も変えずに、もっと何年も前からこの歌を歌っているかのようにレベルアップさせていこう」と諭されて、勉強になりました。
くしゃみを、よりリアルにする特訓まで積んだ。結果、より愛らしさがアップした。
小澤 最初はくしゃみが恥ずかしかったんです。でも、やらないと勝てない。
長月 回りのスタッフさんたちが「くしゃみ、くしゃみ」とこだわる意味が、途中から分かった（笑い）。そこから恥ずかしさがなくなったよね。思い切りのくしゃみができるようになってから、私たちは変わっていけたね。
ほかにも目に見えた成長があった。
長月 ももなちゃんの歌声、低音パートが抜群に上達したよね。
松本 ２人にも褒められて自信がついて、本当に感謝しています。ボイストレーニングに通ってから、家でも練習に励んだら、最初の出だしの低音がしっかり歌えるようになって。毎回の対戦は怖かったけど、成長できました。
さて、決勝の対戦相手のＧｏｏｄ Ｔｅａｒｓはクールでかっこいいスタイル。対するシューロケは王道アイドルと呼ばれている。
長月 見て分かるとおり、かわいらしい集団です ハート ひたすらかわいらしい。 シュークリームロケッツの意味は？
長月 名前の意味は秋元先生に聞けていないんです。最初の候補名には「ロッカールーム」とかがあったみたいです。
小澤・松本 えーっ、知らなかった。
長月 危うくロッカールームになりそうだった。シューロケで良かったでしょ。
小澤 私は、どんどん成長するって意味でロケッツなのかなって。
松本 私も飛躍って意味だと思っています。
長月 まぁ、多分私がロケッツですね。ももなちゃんがクリームで、あいみちゃんがシュー担当。クリームを包んでる２人の横で、私が飛んでる（笑い）
小澤・松本 （笑い）
長月 ただ、ももなちゃんは、見た目はふわふわだけど、実はしっかりしてますよ。
松本 常に自信がないのにセンターをやらせてもらっているので、今後は引っ張っていける存在になりたいです。
さぁ、表題曲をかけた３カ月もの戦いもいよいよあと一戦。年齢的には、お姉さん的存在のＧｏｏｄ Ｔｅａｒｓと戦う。総当たり戦では負けている相手だ。
長月 準決勝は、私が個人的に、一番頑張ってると感じていたＬｏｖｅ Ｃｏｃｃｈｉに勝ったので、彼女たちの気持ち、そして兼任しているラストアイドルの気持ち、もちろんサムサム（Ｓｏｍｅｄａｙ Ｓｏｍｅｗｈｅｒｅ）の気持ちも無駄にしないで、ぶつけていきたいです。
小澤 視聴者投票で争ったラストアイドルのみんなは、一番悔しいはずの負けた瞬間の収録でも、きちんと話せていて、収録後には私たちにも「私たちの分まで頑張って」って背中を押してくれたんです。みーたんが兼任していたこともあって、特別な絆をもらえました。だから、余計に勝ちたいです。
松本 Ｇｏｏｄ Ｔｅａｒｓには１度負けているし、彼女たちの歌やダンスのクオリティー高いけれど、負けずに楽しいパフォーマンスをお届けできたらと思っています。自信ですか？ はい、もう付いてきました！
小澤 ここまできたからにはラストアイドルも応援してくれているので、絶対に表題曲を取りたいです！
◆シュークリームロケッツ 小澤愛実（１４）、松本ももな（１５）、長月翠（１７）の３人組。愛称「シューロケ」。ラストアイドルの２ｎｄユニットとして結成され、デビューシングルではカップリング曲「想像上のフルーツ」を歌唱。番組２ｎｄシーズンでは、秋元康プロデュースで楽曲「君のＡｃｈｏｏ！」を歌う。平均年齢は５ユニットで最も若い１５・３歳。
