飲食店情報サイト「ぐるなび」が「機動戦士ガンダム」シリーズなどで知られるサンライズとタッグを組み、初めて制作するアニメ「異世界居酒屋~古都アイテーリアの居酒屋のぶ~」(13日からバンダイチャンネル、hulu、AnemaTVなどで配信スタート。全24話)プロジェクト発表会が12日、都内のバンダイナムコ未来研究所で行われた。席上で、劇中に登場する居酒屋「のぶ」を実際に出店するほか、作品の中で印象的な「トリアエズナマ」というキーワードを活用したビールの商品化など、新たなプロジェクトが発表された。

 「異世界居酒屋~古都アイテーリアの居酒屋のぶ~」は、小説投稿サイト「小説家になろう」に掲載され、第2回「なろうコン大賞」を受賞した、蝉川夏哉氏原作の小説「異世界居酒屋『のぶ』」(宝島社)のアニメ化作品。異世界につながった居酒屋「のぶ」の寡黙な店主ノブ・タイショーが振る舞う、驚くほどおいしい酒や、未体験の料理に魅了された怠け者の衛兵、お忍びの聖職者、水道ギルドマスターなど個性的な客が繰り広げられるヒューマンストーリー。小説からオリジナルコミック、KADOKAWAヤングエースで連載中のコミカライズなどに発展し、150万部を越える大ヒットを記録する人気作品となった。「異世界居酒屋~古都アイテーリアの居酒屋のぶ~」は1話15分の尺で24話制作され、4月から全世界に向けて配信される。

 今回、ぐるなびが初めてアニメに出資をすることを受けて「アニメパート」に加え、気料理研究家きじまりゅうた氏による作品に登場するオリジナルレシピの紹介や、なぎら健壱による居酒屋放浪記という「実写パート」の2部構成で制作された。またアニメ化をきっかけに、実際に居酒屋「のぶ」を出店する。ぐるなびの椿山えみ執行役員は「世界に誇る日本の外食が、もっと世界中に広まって欲しいと願っています。日本のアニメの力で世界ののべ13億人に日本の食文化、居酒屋の良さが広まります。アニメ制作に参画することは、大きな力になると感じています」と今回の出資の意図を説明。「居酒屋『のぶ』を国内、海外で出店するという話もあり、楽しみにしております」と、劇中の居酒屋を実際に出店し、世界展開する考えを明らかにした。

 アニメを制作するサンライズ第10スタジオの梅崎淳志プロデューサーは、料理は1枚、1枚、構図から鉛筆で書いていると明かした。その上で「サンライズにいる私が言うのも何ですが、おいしい料理を作るのは、ガンダムを作るより大変かも知れません。世界一おいしいアニメ映像になったかと思います」と自信を口にした。

 さらに、作品の中で印象的な「トリアエズナマ」というキーワードを活用したビール「トリアエズ『じゃない』ナマ。」の商品化も企画している。この日、登壇した、お笑いコンビ和牛の水田信二と川西賢志郎は「ビール、飲みたなった」と舌なめずりした。【村上幸将】