前進座公演「人間万事金世中」(5月12~22日、東京・国立劇場)の会見が12日、都内で行われた。

 河竹黙阿弥が明治12年にイギリスの戯曲を翻案した「ザンギリ喜劇」。莫大(ばくだい)な遺産が舞い込んだ居候の青年(河原崎国太郎)に、伯父(藤川矢之輔)ら強欲な親類縁者が群がって起こる大騒動を描く。

 矢之輔は「初演された明治は、欧州に追いつき、追い越せの時代だった。それが本当に良かったのか、立ち止まって考える作品になれば。ただ、私の役は強欲で、金がすべてです」。国太郎は「正直で心優しい青年の役ですが、ただ正直なだけではない面も見せたい。昨年、今年と立役が続くので、来年は女形で出演したい」と話した。