乃木坂46生駒里奈(22)の卒業コンサートが22日、東京・日本武道館で開催された。ゆかりのある曲や最新シングルなど、6年8カ月の活動をたどる構成。クールな曲からアイドルソングまで次々と披露した。さまざまな表情と幅広いパフォーマンスを見せ、ラストステージをエンジョイ。1万2000人を魅了した。

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 生駒は握手会が得意ではなかった。ただ、それも彼女なりのブレない「正義感」ゆえだった。

 女性アイドルの握手会には、ただ単に直接会って会話するだけではなく、「疑似恋愛」的対応が求められる場合も多い。ファンを楽しませ魅了するために、状況によってデート感覚や恋人感覚で応じることもある。事実、乃木坂46に限らず、握手会で人気を伸ばしてグループでの地位を確立したメンバーも少なくないし、職業柄、ある程度は必要な要素かもしれない。

 そんな中、加入以来ノースキャンダルを貫いた生駒の正義感は独特だった。「街中でもどこでも、握手を求めてくださる方がいるのはありがたいことです。でもアイドルである以上、疑似恋愛にも線引きをしないと」と徹底した。ファンから「結婚してください!」と言われれば、「できません!」と即答した。

 真っすぐゆえに不器用な対応が、個性的な魅力を作り上げた。賛否両論はあるかもしれないが、自分を貫いた。5月6日のラスト握手会は、きっとさまざまなファンによって行列ができることだろう。【横山慧】