9月16日で引退する歌手安室奈美恵(40)が、NHK「ニュースウォッチ9」のインタビューに答えた模様が4日、同番組内で放送された。

 3日に最後の全国ツアーを東京ドームで行った。デビューから25年。「好きなことなので、30曲でも40曲でも、きっと50曲歌っても楽しいと思う。その中で、自分の中でのテンションを保てるように曲順を並べたりして、楽しかったりするので、あっという間です」と、衰えとは無縁だったことを強調した。それでも、歌手活動にピリオドを打つ理由を「生涯現役は自分じゃないのかなというイメージでした。想像ができなかったのかな、という感じがします」と明かした。

 98年に出産のため1年、休業した。ステージを離れた期間は、焦りと不安に悩まされたこともあったという。「初めて(自分と)向き合いました。いやというほど。でも『1年休ませてください』と言ったのは自分だったので、復帰するわけにはいかず、焦っている自分と向き合って、さらに焦って…」。一方で、「その1年がなかったら、不安や焦りが出たときに、自分で自分を信じてあげられなかったり、ブレーキをかけてあげることができなかったと思う」とも明かした。

 今年で20歳になった息子の存在が、復帰後の楽曲に影響を与えたという。「何をするにも、息子がいての考え方だった。歌詞も注意して、変な言葉がないかとか、注意しながらやりました。英語のスラングあったら良くないとか。彼が後ろ指を差されるとか、ママの息子で良かったと言われるには、どういう仕事をしていけばいいのかを考えてやってきた感じがします」。母親としての一面もかいま見せた。

 引退後のプランは白紙という。「あえて考えないですね。とにかく(9月)16日がゴール地点。そこを目がけて、何ができるかを精いっぱい考えていきます。ゴールに行ったときに、何か違うものが目の前に現れるんじゃないかなと期待とワクワク感はありますね」。「歌手安室奈美恵」にどうピリオドを打つか。残り3カ月あまり、それだけを考えて過ごすことになりそうだ。