歌舞伎俳優市川海老蔵(40)が24日、長野・志賀高原で、森作りを呼びかける植樹プロジェクト「ABMORI(えびもり)」に参加し、約1500人と約1万本を植樹した。

 昨年6月22日に亡くなった妻小林麻央さん(享年34)とともに14年に始め、今年で5回目。海老蔵は「麻央が11年前に(福島で)植樹したところは林になっていた。植樹は希望の光を植えていると感じている。彼女は人としてすばらしいことが多かった。私が継続してやることは、彼女も喜んでくれると思うし、私も幸せです」。

 前日23日には麻央さんの「しのぶ会」が行われた。「家族は我慢して、悲しいと思うことを避けて通ることが多かった。でも、あの会は我慢しなくてもいい時間で、1年の節目に人前で悲しむことが素直にできた。私個人はやりたくなかったけれど、1年たったからこそ、皆さんのおかげで良い会ができた」と話した。

 麻央さんと同じ乳がん患者のための基金設立や残したブログを本にまとめる計画を明かしていたが、「ネガティブに言う人もいる。それを乗り越えるだけの力はないので、(基金は)難しいかもしれない。本も作ったけど、出しません」と、いずれも頓挫する可能性を示唆した。

 この日は長女麗禾ちゃん(6)長男勸玄くん(5)も参加した。「家の年中行事で子供たちも楽しんでいる。(1年たって)成長したかな」。植樹後、参加者には海老蔵特製のカレーが振る舞われた。「食べられない麻央のために野菜スープを作ったのがきっかけ。その野菜スープを隠し味にカレーを作った。このカレーの隠し味は愛情と野菜スープです」。参加者の長い行列ができていた。