大阪・ミナミにある松竹芸能の演芸場「道頓堀角座」が22日、閉館を迎え、同事務所所属で今年8月に芸歴30周年を迎えるお笑いコンビ「シンデレラエキスプレス」が昼公演で「シンプレ寄席」を開いた。

 角座は、江戸時代から栄えた「道頓堀5座」の1つで、その名称を映画館や劇場に引き継ぎながら親しまれてきた。

 08年に「B1角座」(大阪市中央区)が閉館し、歴史が途切れたものの、13年7月に「道頓堀角座」が演芸場として復活。しかし、同劇場も、施設オーナー側との5年間の契約期間が今年7月で満了し、閉館に至った。

 この日の寄席には、横山たかしひろし、酒井くにおとおる、森脇健児(51)ら松竹のベテランも駆けつけ、シンプレ30周年と角座のラストを飾った。

 シンプレの松井成行(53)は、祝福に感謝を述べると続けて「新劇場を、ZOZOTOWNにお願いしたい。野球チーム持つよりはるかに安い」とおねだり。

 相方の渡辺裕薫(50)は「演芸場が無くなると言うことよりも、楽屋が無くなる寂しさが非常に大きい」と劇場の楽屋で先輩たちからいろんなことを学んだと話し、それでも「劇場が無くなるといって、我々は何にも落ち込んでいない。次の展開をワクワクしている。先輩に教えていただいた楽屋は、ずっと残して行かないといけない」と、笑顔で今後に向けて意気込んだ。

 森脇は「おめでたい日に角座が終わるという。なんで今日やねん」と笑わせ、「まあいいですよ。終わったらまた、どっかで始めますからこの会社は」と新劇場に期待していた。

 松竹の担当者によると、新劇場については前向きに考えているが、今のところの予定は無いといい、今後は劇場「道頓堀ZAZA」などで引き続き、公演が行われるという。