ニュースキャスターでエッセイストの浜尾朱美さんが死去したことが14日、分かった。57歳だった。この日夕方放送のTBS系報道番組「Nスタ」が報じた。同番組によると、浜尾さんは10年以上前から乳がんを患い、闘病生活を続けてきたが、この日早朝、都内の病院で亡くなったという。

浜尾さんは徳島県出身で、早大卒業後、1983年(昭58)のTBS系ドラマ「おゆう」のヒロイン役で女優デビュー。その後、情報、報道系番組のキャスターに抜てきされ、87年にTBS系「関口宏のサンデーモーニング」に出演、89年10月にスタートした同局系「筑紫哲也ニュース23」では、筑紫哲也さんと初代女性キャスターとしてコンビを組み、8年間サブキャスターを務めた。

94年には同局の報道記者と結婚し、筑紫さんが媒酌人を務めた。結婚の前には「彼は3歳年下ですけど、平均寿命を考えると、年下のだんなさまの方が望ましいでしょう」などと語っていた。

浜尾さんは、競馬にも詳しく、著書に「夢のあと-My競馬diary-」がある。93年から約6年間、日刊スポーツ新聞の競馬面でも連載「競馬だ~い好き!」を執筆した。98年9月の紙面では3冠馬ナリタブライアンの死に触れ「鳥肌が立つ。あまりに唐突な知らせに『ダメなんです』の言葉の意味さえ理解できず、鼻の奥に何かがこみ上げてくるような、そんな生理的な反応ばかりが身体を襲った」と記していた。

他に、講演活動や12~13年にかけて京都ノートルダム女子大学の客員教授を務めた。

◆NEWS23 TBS系の報道番組。89年10月、元朝日新聞の筑紫哲也氏をキャスターにした「筑紫哲也ニュース23」がスタート。07年の筑紫氏入院を受け、同12月に後藤謙次氏が後任となり、08年3月に「NEWS23」に。「多事争論」、街頭インタビュー「異論反論オブジェクション」などが人気を博した。女性キャスターは浜尾朱美、阿川佐和子、有村かおり、渡辺真理、草野満代、膳場貴子らが歴任。10年3月に「NEWS23X」となったが、13年4月に再び現タイトルに。現在は星浩氏(63)と雨宮塔子氏(47)がキャスター。

◆浜尾朱美(はまお・あけみ)1961年(昭36)1月20日、徳島県出身。早大卒。大学在学中にTBSアナウンサーの入社試験を受けた際にドラマのプロデューサーの目に留まり、ドラマ「おゆう」で女優デビュー。著書にエッセー「もう結婚占いはいらない」など。