戦後70年を迎えた15年から開かれている第4回の「戦後復活落語会」が21日、大阪・天満天神繁昌亭で行われ、上方落語協会の新旧会長、桂文枝(75)と笑福亭仁智(66)ら豪華はなし家が共演した。

15年から毎年、同会が開かれている11月21日は、45年の終戦から約3カ月後、壊滅状態だった上方落語が、復興の第1歩として、大阪・四天王寺本坊で落語会が開かれた日。終戦後、初の落語会だった。今落語会の発起人は、15年当時の同協会会長だった文枝。偉大な先人らの思いを受け継ごうとスタートさせた。

今落語会のトリを務めた文枝は、病室で巻き起こる同僚同士のコミカルなやりとりを演じる創作落語「相部屋」を披露し、満員の客席を沸かせた。

マクラでは公演前に、繁昌亭のすぐそばにある上方落語の継承と発展に貢献した先人を顕彰する境内社「高坐招魂社」(こうざしょうこんしゃ)の合祀(ごうし)祭に出席し、感謝を伝えたと話した。

この日も出演した桂米団治(59)の父、故桂米朝さんらが眠る同招魂社。「そこへお入りになっている師匠方はみなさん、健康で(いて)亡くなった方は1人もいらっしゃいません。やはり人間はなんと言っても健康。命より健康だと思います」と、はなし家らしく笑わせた。仁智新会長は中トリで演目「手前持ち」を披露した。

この日は桂小枝(63)桂春蝶(43)月亭天使(44)が出演した。