昨年大みそかに放送された「第69回NHK紅白歌合戦」第2部(午後9時)の平均視聴率が関東地区で41・5%(関西地区40・5%)だったことが2日、ビデオリサーチの調べで分かった。前年の39・4%から2・1ポイントもアップした。究極の大トリを務めたサザンオールスターズら2部に話題の出場者を集中させたNHKの戦略が当たった。第1部(午後7時15分)も37・7%(関西地区35・2%)と前年を1・9ポイント上回った。

平均視聴率40%台の回復は、NHKの戦略がうまくいった結果といえる。特に「サザン効果」が大きかっとみられる。

第2部は、18年を象徴するヒット曲「U.S.A.」のDA PUMPでスタート。昨年11月に活動を再開したばかりのいきものがかりが続き、好スタートを切った。その後も三山ひろし(38)のけん玉のギネス世界記録挑戦で視聴者の関心を集め、松任谷由実(64)が歌い、テレビで生歌唱するのは初めての米津玄師(27)のほか、紅白を卒業した北島三郎(82)が5年ぶりに紅白のステージに復帰し「まつり」を歌って盛り上げた。例年になく濃い内容の第2部。NHKも「ひとときも視聴者を離れさせまいと渾身(こんしん)のシーンの連続だった」とコメントした。

極めつきは4年ぶりの紅白だが、会場の東京・NHKホールで歌うのは35年ぶりとなったサザンオールスターズの存在だ。最終歌唱者として「希望の轍」「勝手にシンドバッド」を歌ったが、桑田佳祐(62)は「勝手に-」では北島に呼び掛けたり、ユーミンと一緒に踊りながらほおに口づけされるなど夢の共演を果たし、盛り上げた。見ている視聴者にもにぎやかで楽しい雰囲気が伝わった。

また桑田は、北島の歌唱の際には巨大うちわを持って応援。Superflyの歌唱前にもステージに登場するなど大車輪の活躍をした。14年は中継で歌ったが、会場のNHKホールのステージに立つことで「何かやってくれるはず」という、視聴者の期待も高めた。

最近10年の紅白歌合戦は平均視聴率が前年を大幅に下回ることはあっても、2・1ポイントも前年を上回るのは異例だ。13年の第2部は44・5%を記録し、前年の42・5%を2・0ポイント上回ったが、今回はそれよりもアップの幅が大きかった。「平成最後の紅白」でド派手なパフォーマンスを繰り広げたサザンオールスターズは、視聴率上昇の大きな要因となったといえる。

最大のライバルとなる裏番組の日本テレビ系「ガキの使い!大晦日年越しSP!絶対に笑ってはいけないトレジャーハンター24時!・2部」の数字が前年よりダウンしたことが、影響している可能性もある。